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冴木の舌が俺の舌を捕らえ、ねちねちと俺の舌に絡めてくる。
「……ん」
歯列に舌が這い、上顎を舐め上げられ、脚が震えた。
あぁ、何で俺はされるがままになっているんだ。いつもなら突き飛ばして蹴り上げている所なのに。
「ん…あっ」
多分、冴木のキスが必死に思えたからだろう。
今までしてきた誰かのキスとは、全く違うものに思えた。
大人しい俺を不思議に思ったのか、唇を離し、鼻が触れるか触れないかの距離でじっと俺を見据える。
濃ゆい茶色の瞳が揺れ動き、視線が逸らされた。
「…今の、さっきの女にバレてないだろうな?」
バレてたら最悪だ。会社に顔出せねぇじゃん。
てかあの女達は一体何者なんだろうか。3人でデカイ扉の前に立っていたけど。
いや、そんな事よりなんで俺にこんな事すんだよ。
意味解かんねぇ。
昔から何考えてんのかよく解らない奴だったけども。
「大丈夫だ。とにかく、会社では大人しくしておけ。外に出たら自由にしてくれて構わない。解ったな?」
あんなキスをしておいて冴木は平然としてる。
俺を大人しくさせる為にやったのか。
「……了解」
また一階に戻ってしまった俺達は、今日の仕事は後回しにする事にし、これから住む部屋に案内すると冴木に言われ会社を出た。
ビルの前でタクシーを捕まえ、俺と冴木は後部座席に座る。
15分ほど走った所で、タクシーは一つのマンションの前で停車した。
家賃が高そうなマンションだ。タワーマンションというやつだな。
ここから見る限り、部屋の窓が凄く大きい様に思える。何階建てなんだろうか。
入口は二重扉になっていて、床は黒のタイル張りだ。
「俺、こんな所住めねぇよ」
俺の給料を考えたらこんな高そうな所には住めない。
「何を言っている。部屋は用意すると言っただろう」
「だから、ここだろ?このマンションの事を言ってるんだろ?」
「そうだ。部屋は一つ空いている。好きに使ってくれて構わない」
「え?もしかしてこのマンションお前の!?」
「そうだ」
「じゃあ家賃はいくら?安くしてくれんのか?」
「タダだ。食費代だけ払ってくれればいい」
あれ、おかしいな。
話が噛み合っているようで、噛み合っていない。
「あのー、お伺いしても宜しいでしょうか?」
「なんだ、気持ち悪い」
うわ、ひでぇ。
心底気持ち悪いと言うような顔で俺を見下ろしている。
どんな顔をしてもイケメンはイケメンなのか、そうか。
いつか絶対ブサイクなツラにしてやる。
「あのですね、もしかしてなんですけど、冴木社長の部屋の一室を、俺の部屋にしてやると言う事でしょうか?」
「だからそう言っただろう」
言ってねぇよ!!部屋は俺が用意してやる、しか言ってねぇから!
駄目だ。自分で探そう。
今日は試写室かネカフェで過ごそう。
「丁重にお断りさせて頂きます」
「何故だ。俺と住むのは不服か?」
いやいや、さっき冴木は俺にナニしたよ?
あんながっついたキスしてくる奴なんかと一緒に住めるかよ。
絶対喰われる。
傷見せろーとか言って絶対俺を喰う気だ。
「不服だ」
「何故だ」
何かこいつ面倒くさい奴だな。
『何故だ』は口癖か?
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