アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1、いつもの日常
-
それはいつもの日常のなかで起こった些細な出来事だった。
「葉月さーん。スマホ鳴ってんぞー」
「すみません、今手が濡れていて…どなたからでしょう?」
「(見ていいのか?)…『薫さん』って出てるぞ」
「……えっ、」
普段なら「ああ、分かりました」と言うか、急ぎの人からならばスマホを持ってきてくれと言うのに、
その時はただ「えっ」と言い、すぐに手を拭き早足でこちらにくると電話を持ち外に出て行った。
1年ほど共に暮らしているがそのような反応は初めてで、それでいて名前が『薫』。
男性にも女性にも使われる名前ではあるが、自室で話さず外にまで出て行ったのを見ると
ついつい観てしまう昼ドラに脳内を毒されていた俺は『外で女性ができた』のかと思ってしまった。
それでいて外に出る間際に聞こえた言葉が「今自宅なのでやめてくれませんか」。
これは……。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
246 / 252