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再会
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遂にこの日が来た・・・・・。
どれほど待ち焦がれていたか。
とうとう来たんだ。今日という日が!!
夢に見ていたこの日が!!!!!
高鳴る胸に心躍らせ、楽しい楽しいキャンパスライフを思い描きながら、夢へと続く扉を勢いよく開けた。
「エーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
だがそこで待っていたのは、期待とは正反対な人物だった。
「な、なんで。なんで・・・・。」
動揺しながら、ただの見間違いであることを望んでまじまじとその人物を見た。
「久しぶり。出雲陽向君。」
にっこりと王子様のようなほほ笑みで、自分より一回り小さな陽向の頭を撫でた。
たったこれだけでも、大抵の女の子はくらっと落ちてしまうのだろう。
「や、やめろよ!」
陽向は撫でてくる手を払いのけた。
「ふーん。やっぱ変わんないねー。見た目も性格もあの時のまんまだな。」
くすくすと笑いながら陽向を見下ろして目を細めた。
「お前のほうこそ変わんねーな。そのどす黒い性格。」
陽向も負けじとガンを飛ばした。
「おいおい、そんな上目づかいで見つめてこられても困るよ。誘ってんの?」
陽向は精一杯の怖い顔をしているつもりなのだが、くりっとした大きな黒目がちの眼で、自分より頭一個分以上の高さに睨んだところで、相手には全く迫力を感じない。
「お前なんか誘うわけねーだろ!!」
陽向は顔を赤くしてむくれた。
「まあまあ、そんなに怒るなよ。これからこの部屋で一緒に生活するんだから。お互い過去のことは忘れて仲良くしようぜ。な。」
またお得意の王子様スマイルで、手を差し伸べて握手を求めてきた。
陽向はその手を呆然と見つめながら、思い描いた楽しい楽しいキャンパスライフがガタガタと音を立てて崩れていった。
ああ・・・。俺の楽しいキャンパスライフ・・・・。
ああ・・・。俺の青春・・・・・。
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