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痛み
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目が覚めたら目の前に、整った顔がある。
あの日、うっかり拓斗のベッドに着いていってしまって以来、拓斗はしょっちゅう俺を自分のふとんに引きずり込んだ。
なんとか逃れた日もたくさんあるけど、最近は逃げるのも面倒で、ほぼ毎日一緒に寝ている。
…ていうか、拓斗と寝るのって、温かくて…なんか、抱きしめられてるのが気持ちよくて……。
って、そんなこと考えてちゃ拓斗の思うつぼだって……!
「……っ!?」
ズキン
だんだん眠りから覚めてきたら、突然頭痛に襲われた。
「い、た……っ」
まるで頭に心臓がくっついてるみたいな、ドクドクと脈打つたびに殴られたような痛みに襲われる。
痛い、痛い、苦しい……!
「……ん…薫……?」
「……っ、た、く……」
身じろぎをした体が拓斗に当たったのか、それすらも気付かなかったけど、拓斗は目を覚ましたようだ。
「薫…?どうした?」
俺の様子がおかしいことに気付いたのか、俺の顔を覗き込んでいるようで、すぐそばから心配そうな声が聞こえる。
だけど俺はそれどころじゃなくて、痛みに耐えるので必死だ。
痛い、苦しい、痛い、苦しい……。
「い、た……いた、い……っ、たす、け……て………」
「薫…っ!どこが痛い?頭?手、どけられるか?」
完全に目を覚ました拓斗は上半身を起こして、頭を押さえる俺の手に触れる。
その手がやけに冷たく感じて、怖くなった。
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