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朦朧 (薫)
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拓斗が部屋を出て行ってどれくらい経ったのか、俺は目を覚ました。
朦朧としているけれど、痛みは治まっている気がする。
「薫…」
ぼんやりとする視界の中に、心配そうに覗き込む顔が映る。
その顔に手を伸ばすと、頬に触れた。
体が思うように動かせない、というよりは、頭で考えていることと関係なく勝手に体が動いている感じだ。
とは言っても、頭も正常に働いていないらしく、自分が何を考えているのかもわからない。
「薫、冷えピタ貼っといたけど、少しは楽になったか?あとでなんか食べたら薬も飲めよ?」
「たく、と……」
多分、熱で朦朧としていたせいだと思う。
そうじゃなきゃ、絶対こんなこと、しなかったのに。
「薫……?」
「拓斗……」
首に手を回して引き寄せる。さっきは冷たいと感じた拓斗の体は温かくて、その温もりが、もっと欲しくて…。
「…ん……」
男の唇なんて、カサカサと乾燥していそうなのに、拓斗の唇はふっくらとしていて柔らかくて、すごく気持ちいい。
「っ、薫……っ」
絶対夢中にならないとか、いろんなこと言ったくせに、プライドとかも何もなくて、ただ拓斗を求めるだけ。
朦朧として、何も考えられなくて、でも、こんなの全部、熱のせいだから………。
「ん…っ、は、ぁ……」
「や、めろ…!」
突然肩を掴まれて体を離された。だけど、抵抗とか文句とかより、もっと拓斗が欲しくて、手を伸ばす。
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