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再現
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「…ん……」
目が覚めたら、頭痛は昨日ほどひどくないものの、体がダルくて重かった。
昨日のことが、思い出せない………なんていうのは嘘で。
………全部覚えてる。
「薫、起きた?」
「っ!!」
ぎゅっと後ろから抱きしめられて、心臓が跳ねあがる。
俺、昨日こいつに…何を、した………?
「なー薫、昨日のこと覚えてるんだろ?」
「っ、お、覚えてない……」
適当にごまかしといたら、なんとかなるかも…という俺の甘すぎる考えは一瞬にして打ち砕かれた。
「嘘ついてんなよ。再現してあげようか」
「は!?なっ、何言ってんだよ…っ」
「ほら、覚えてんだろ?可愛かったな、昨日の薫…」
いつも可愛いけど、なんて余計なひと言をつけたして、拓斗は俺を振り向かせてじろじろと眺めてくる。
なんとか逃げ出す隙を作りたいのに、俺が逃げようとすることくらいわかってるんだろう。
拓斗はしっかりと俺の肩を掴んでいて、逃げ出せそうもない。
「拓斗…っ、やめろって、俺、まだ頭痛いし……」
「知ってるよ。だから昨日だって止めたのに、薫が嫌がったんだろ」
「…っ」
怒っているような目に、ドクンと心臓が鳴る。
そうだよな。全部覚えてんだよ、俺。
拓斗は止めてくれたのに、俺が勝手に拓斗を求めて………。
「…拓斗……、俺…」
やっぱり、怒ってるのかな。拓斗、俺のこと好きだって言ってるのに、俺はそれを知ってるのに、気持ちには答えていないのに。
それなのに、あんなふうに唇を求めたりして。
応えてあげられる心の準備もできていないのに、なんであんなことができたんだよ……っ。
「そんな顔すんな。謝ったりもしなくていい」
ふっと優しく微笑まれて、思わずドキっとした。怒って、ないのかな。
「そのかわり……、昨日の薫がどんなにいやらしかったか、全部教えてやる」
「……っ!?」
だけど、ほっとしたのもつかの間。拓斗の顔が俺に近づいてきた。
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