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待ってる
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抱きしめてキスして、ああ、次はとうとう俺のあそこを……。
そう気付いたから、さすがに抵抗しようと思った。
だけど、抵抗しなかったら拓斗はどこまでするんだろうという疑問がわいてしまって、抵抗するタイミングが見つけられなくなった。
「可愛い、薫……」
俺の気持ちを聞かないままでも、拓斗は俺を抱けるのかな。
体だけでも欲しいのかな…。
そんなの、虚しいだけじゃないか……。
「薫、こっち向いて…」
「…っ、拓斗……」
拓斗を見つめれば、頬をするりと撫でられて、その手が気持ちいいと思ってしまう。
「可愛い」
「っ、うるさい……」
恥ずかしくなってそっぽを向いたら頭を撫でられた。
そんなふうに子どもにするみたいにされたって、嬉しくなんかない……。
なんて、そんな態度をとっちゃうけど、本当は嬉しくて。
「薫、まだ頭痛いか?ご飯は食べれそう?」
「え?あ、うん…ちょっと、だけ。ご飯は…多分、ちょっとなら…」
突然そう聞かれて驚いた。だって、今の今まで再現するとか言ってキスしてきてたのに。
「わかった。じゃあちょっとキッチン行っておかゆ作ってくるから寝てろよ」
「え…」
「ほら、悪化したらいけないから…」
「ぁ…っ」
おでこにちゅっと優しいキスを落されて、思わずびくりと震えてしまった。
優しい笑顔が向けられて、鼓動が早くなる。
再現するんじゃなかったの?俺に触れたいんじゃないの?俺を、抱かないの…?
「拓斗……」
パタンと閉められたドアを見つめて、俺は涙が出そうになった。
拓斗はちゃんと待っててくれてるんだ。
俺が好きって言うまで、待っててくれてるんだ……。
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