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待ち人きたる?2=SIDE S=
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一瞬何を言われているかも全く分からなかった。
「貴方のせいで、オレは人を好きになれなくなりました。だから、責任とってオレにその体をください……そしたら許しますよ」
静かに責める言葉に俺は頷いていた。頷かずにはいられなかった。
それだけのことはしたのは分かっている。自業自得だ。
許されようなんて、本当にムシがいい話だ。
エレベーターが8階につくと、体だけと限定されたことに思いのほか心はショックを受けているのか、俺は緩慢な動作で自分の部屋の扉にキーカードを押し込んで開けた。
「……10年前からずっと……俺はオマエのもんだから……」
それでも、無駄とは思いつつも言わずにはおれない。
他の相手と付き合ったこともない。
そりゃ、この年齢になるまでには、何人も声はかけられたが全部断ってきた。
「それは感動したほうが、いいところ…ですかね」
俺の言葉に、何の感情すらなく冷たく返ってくる言葉が何より胸を締め付ける。
だけど、これは自業自得。
きっと、これ以上に西覇は苦しい思いをしたに違いない。
急に好きな人に、何も言わずに消えられたら。
俺なら半狂乱になる。それだけのことをした。
玄関へ招きいれ靴を脱ぐと、ソファーに上着を脱いでかける。
「西覇は、ビール…飲むか」
冷蔵庫に向かおうとする俺の腕を西覇は掴んだ。
「いや、まず……先輩、全裸になってください」
西覇は、名刺を渡した時に一度、俺の名を呼んだだけで、それ以降は俺の名前を口にすらしてくれない。
名前を呼ぶことすら……拒否されるのか。
いきなり全裸になれといわれて、俺の決心は揺らぐ。
結局、西覇とだって記憶しているのは、1度しかセックスはしていない。
それっきり、俺は誰かと肌を合わせたことがない。
「できない……ですか?いいですよ、また、オレから逃げればいいです」
「……できる……って」
「でも……先輩、今日貴方を抱いてしまったら、オレ、貴方をもう逃がさないと思いますよ。セックス漬けにして、オレから離れられないような体に作り変えてしまおうと思ってます。どうします?」
「……うるせえ……もう、逃げねえって……」
俺は、ワイシャツを脱いで中のシャツを脱ぎ、ベルトを外してスラックスとボクサーパンツを一緒に脱ぐと西覇に裸を晒す。
「……鍛えたんですね。筋肉、昔よりついてる」
腹筋を撫でる手つきに俺はびくっと身を竦める。
「四つんばいになって、ちょっと作ってみた薬あるから試してみていいですか」
「……クスリ……は…怖い」
随分昔の嫌な記憶が戻ってきそうで怖かった。
よつんばいになって腰を浮かせると、検分するように西覇の手が俺の下肢に触れる。
「大丈夫。オレがついてますから……ずっとしていないなら、クスリで緊張をほぐさないと」
「……好きにしろ……」
西覇は着ていた白衣のポケットからアンプルを取り出し、キャップを外すとゆっくり俺のアナルに埋めて液体を注いでくる。
「……10年も何もしてないからですかね。処女みたいにきゅっと締まってる。」
つぷうっと異物感を覚え、ゆっくり人差し指が内部に埋没していくのを感じる。
西覇は俺の亀頭の下へきゅっとシリコンのリングを巻きつける。
「……っつはあ…っッンハッ」
呼吸が速くなり鼓動がどくどくと音を立てる。
クスリのせいか……。
「これは、罰です。だから……先輩は射精できません。これからイクのはお尻でだけです。」
耳元で優しい口調で囁かれると、何か愛されていると錯覚して思わずこくこくと頷いてしまう。
クスリで熱をもってくる腰を揺らして、俺はみっともなく脚を開いて西覇の指を求めてしまう。
西覇は指だけで、決してその体を重ねてはこない。
抱きしめることすら、俺には許されないという絶望感とたまらなくやってくる快感の波に俺は身を任せた。
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