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忘れやはする2 =SIDE S=
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目が覚めるとベッドの上で、体中が自分のものじゃないみたいに重く感じた。
綺麗に体は拭かれていて、まるで再会したこともされたことも夢だったんじゃないかという気にもなる。
体中を弄ばれて、でも、それは愛でもなんでもなく、西覇は俺と体を繋ぐことすらしなかった。
求めても求めても与えられることなく、それでも体は本能に忠実ではしたなく快感に溺れた。
掌で思わず顔面を覆う。
探していて漸く彼を見つけたことに、浮かれていてこのざまだ。
許されることは、あるのか……な。
起き上がって時計を見ると、夜の21時を回っていた。
記憶がある時間は、15時くらいだからもう5時間は寝ていたことになる。
流石に、西覇も帰ったかな。
もっと……話をしたかったな…。
ため息をつきながら寝室を出ると、キッチンに西覇の後ろ姿を見つけた。
「せ、せいは?」
思わず挙動不審になりながら声をかけると、ゆっくりと振り向き視線が返ってくる。
「冷蔵庫、勝手にあけてあるもので夕飯作りました。体、平気ですか」
「あ…ああ…平気……。悪ぃ……すっかり寝ちまった」
焦って答えたものの、ギシギシする体は平気ではなかった。
「僕がムリさせたんですよ」
淡々とした口調で声をかけて、じっと俺を見つめてくる。
その目がなんなのか分からなかったが、俺はキッチンの前のカウンターへ腰を下ろした。
並べられる料理は、綺麗に飾り付けられていて、どこかのレストランのように完璧だった。
俺の冷蔵庫にあったものでよくつくれたなと感心して眺めていると、ふっと笑って西覇は俺を見て口を開いた。
「僕、今、恋人がいるんです。だから、貴方とはお遊びです」
俺の様子を伺うようにして、西覇は静かに言うと俺の席の隣に腰を下ろした。
一瞬の間。
「……そ…そうか。…そう…だよな、西覇、イケメンだしな…」
「恋人のこと好きじゃないですけど、独りはさびしいのでね」
俺が、こいつから人を好きになるキモチを奪ってしまった。
そう考えると苦しくなった。
恋人ができたことも、仕方が無い。心変わりなんてするに決まっている。
遊びだってことも、抱くことさえしなかったことから察しはついた。
「俺は……オマエに遊ばれても文句ねえよ。ただ……その、オマエの今の恋人さんには悪ィと思うから……」
大の大人が泣くとかありえねえと思ったけど、俺は曇る瞳に信じられないように掌で目を覆った。
しばらくして、ぽんっと西覇が俺の肩を叩いた。
「……嘘ですよ……。寝取ろうとか考えてくれないのは、貴方らしいけど。好きにもなればいのに、恋人とか作れないです」
西覇の言葉に俺は顔をあげた。
表情のある少し困ったような表情で、俺の顔をじっと見返した。
「あの時も、そうやって簡単に僕をあきらめたんでしょ……変わってないですよね、貴方は」
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