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「へえ。この子、異端者なんだ?」
「っ?!」
耳元で囁かれた優しい声色に、飛香は反射的に飛び退いた。
左耳にピアスをした琥珀色の髪の男が、静かに飛香を見下ろしている。
(コイツ、いつの間に…!?)
ウィルが驚いたように男をユーリスと呼び、ナギが小さく舌打ちした。
「珍しくみんな集まってると思ったら、面白そうな話してるね。異端者なんて、どこから拾ってきたの?」
ごく自然に飛香の肩に触れたユーリスは、火傷をしている右手をすっと持ち上げた。
あまりにも滑らかな動きに振り払うことを忘れていると、瞬間、ピリッと電気が走ったように痛む。
「なッ……?!」
湿った感触に驚いて腕を引っ込めると、上唇を舐めたユーリスが不敵に微笑んだ。
怪しく光った赤い瞳に釘付けになる。
「ーーー甘いね」
「……………!!」
血のように赤く染まった瞳に得体の知れない恐怖を感じ、飛香は罵倒するのも忘れて後ずさった。
すると、間髪入れずに二つの影がユーリスを取り囲む。
「おい、ユーリス!そいつは俺が先に目ぇつけたんだからな。横取りすんなよ」
「待てよ!アスカはオレが見つけて連れて来たんだぞ」
「えー?ちょっと舐めただけじゃん。そんなに怒んないでよ」
ナギとウィルの双方から咎められ、ユーリスは面白くなさそうに肩を竦めた。
サワの向かいのソファに腰掛けると、どこから取り出したのか赤ワインをグラスに注ぎ始める。
(なんだったんだ……)
飛香はソファに移動したユーリスを改めて視界に入れた。
肩まである琥珀色の髪に、透き通るように滑らかな肌。
荒々しさを纏うナギとは違い、ユーリスはどこか気品の漂う男だった。
「なに?俺の顔に何かついてる?」
「えっ?いや……」
いつの間に見惚れてしまっていたらしい。
恥ずかしくなって視線を逸らすと、唇に残ったワインの水滴を舐めとったユーリスがくすりと笑った。
怪しく微笑むその姿は妖艶で、男だとわかっていてもドキリとさせられる。
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