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「じゃ、予定通り今日の当番はサワだな」
名前を綴った紙を受け取ったウィルは満足そうに微笑むと、サワの肩を抱いた。
「つっても、こいつ血液パックの血しか飲まねーの。人見知りだかなんだかで、人間と対面すんの苦手らしい」
「え、でも」
「アスカは平気みたいだね。だから俺たちも驚いてるんだよ」
興味深そうに見つめられ、ユーリスの視線に耐えられなくなった飛香は誤魔化すように俯いた。
見れば見るほど美形で、ユーリスが纏う色気に中てられそうになる。
その時、何かが飛香の視界を塞いだ。
「わ、え?え!?」
「アスカ。ダメ」
「え、サワ…?」
飛香の視界を塞いだのはサワだった。
片手で飛香の目元を覆うと、腹にもう片方の腕を回して、そのまま抱き込んでしまう。
サワの胸の中に倒れ込む形となった飛香は、不安定な体勢で視界を奪われ、軽く混乱していた。
「今日のアスカ、おれのだから。だから、他の奴見ちゃ、ダメだよ」
「はい?そんな無茶な…」
「……ほんと、随分と懐かれたもんだね」
「一体何したんだよ、アスカ」
「俺が知りたいっての…」
「アスカ、喋っちゃダメ」
「……………」
無茶苦茶だ。
何が気に食わなかったのか、それからサワは飛香を抱く力を更に強めた。
「…とりあえず、一旦離そうか」
「やだ」
「やだじゃねえよ!これじゃ何も見えないだろ!」
「やだ」
「っ苦しいっての!絞め殺す気か」
「やだ」
「だからっ…、はぁ。もういいよ…」
これ以上何か言ったら本当に絞め殺されそうだったので、飛香は脱力した。
普段なら男に抱擁されたら突き放しているところだが、サワが相手だと何故かそれができない。
悪意はないし、まるで犬にじゃれつかれているようで、無下にできなかったのだ。
どこか憎めないキャラに、飛香は調子を狂わされた。
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