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擽るような仕草に不信を抱いていると、ユーリスの醸し出す雰囲気がガラリと変わった。
「ねぇ…ナギに噛まれたあの時の君、すっごくエロい顔してたよ。気付いてた?」
「…………は?」
今の飛香は何とも言えない間抜けな顔をしていただろう。
停止した思考を無理矢理動かすと、人が変わったように艶やかな笑みを浮かべるユーリスに息を飲む。
「自覚、なかったんだ。アスカは素質あると思うよ」
何の素質だよ、と声に出さずにツッコむと、飛香は焦りを隠すように扉に近付いた。
なんだか雲行きが怪しくなってきたので、いつでも逃げられるようにと思った行動だったのだが。
それさえも見透かされていたかのように、飛香の背後から伸びてきた手がゆっくりと扉を閉めた。
「あ、の……」
顔の横で動かなくなった腕に心臓が早打つ。
すぐ後ろに感じる気配に飛香は冷や汗を垂らした。
もしかしなくても、この状況はまずいような気がする。
ユーリスの漂わせる艶っぽい雰囲気に圧倒され、飛香の身体は完全に萎縮していた。
「今日の当番はサワのはずだろ…?」
「それは昨日の話。今は日付が変わって、俺の番だから」
「……!ま、まさか、今……とか」
「そんなに緊張しなくてもいい。できるだけ優しくするよ…」
「………っ」
やっぱり、と飛香は身体を強張らせた。
ユーリスの気配を後ろで感じながら、ぎゅっと目を瞑る。
「ウィルやナギがあそこまで執着する血の味、俺も知りたかったんだよね…」
「血に美味いも不味いもあるのかよ…!」
「あるよ。より新鮮な方が濃厚だし、一度身体から離れてしまった血はやっぱり風味が落ちる」
「へ、へえ…」
言いながら首の包帯を解いていく手先は何だか慣れていて、あっという間に肌が曝される。
後ろ髪を掻き上げられ、吐息が首筋にかかった。
来る、と思った衝撃はいつまで経っても訪れず、かわりに小さなリップ音が響いた。
「白くて、綺麗なうなじだね」
ユーリスはそう言うと、焦らすように何度も首の辺りを口付ける。
何をされているのか理解した時、カッと飛香の頭が沸騰した。
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