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ユーリスの存在を気にして部屋に戻れなかった飛香は、大広間のソファで夜を明かした。
疲れが溜まっていたらしく、前の晩に眠りが浅かったのもあり、覆い被さるサワの存在に気付かないほど熟睡だった。
「う、う〜ん…」
重みを感じて身をよじれば、ふわふわとした金髪が目の前に広がる。
飛香の腰をがっちりとホールドしたまま、抱き枕のようにして顔を埋めているのはサワだった。
「サ、ワ…?」
声をかけると、飛香の上にのしかかるようにして眠っていたサワはもそもそと顔を上げた。
「んー……おはよ…?」
「いや、うん…色々とツッコミたいけど、とりあえずどいてくれ」
「…やだ」
「そう言うと思ったけど。重いんだよ!いつからいた?」
「けっこう前」
「くそ、気付かないくらい爆睡とか、笑えねえ…」
深く眠らないように気を付けていたはずが、思いのほかソファの寝心地がよくて爆睡してしまったらしい。
眠っている間にもし襲われていたらと思うと、飛香はぶるっと身震いした。
ここにいたのがサワでよかったと心の底から思う。
得体の知れない存在であることに変わりはないが、今のところ実害はないのでナギやユーリスよりは幾分もマシだった。
契約を無視して所構わず噛み付こうとするナギも問題だが、吸血以上の行為をしようとするユーリスは飛香にとって天敵となっていた。
(あのユーリスって野郎、人の良い顔してとんでもない奴だ。男の俺に、あんな……っ、次に会ったら絶対殴ってやる!!)
ファーストキスというわけではなかったが、久しぶりのキスが男との、しかも濃厚なディープキスだという事実が飛香の中にトラウマを植え付けていた。
ショックが大きすぎて逃げる事しか頭になかったが、よく考えたら男を相手にどうしてあそこまで感じてしまったのか。
そういう性癖だったのかと疑うほど、敏感な反応をみせた自分が飛香は信じられなかった。
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