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「まだ君の友人だと決まったわけではないのだよ」
「でも!もし大樹だったら…助けに行かねえと!」
「そうだね。とにかく、確かめないことには……」
考えるようにして唇を噤んだノエルは、廊下に響く足音を聞いてハッと顔を上げた。
「ちょうどよかった!ハオくんに頼もう!」
「え?」
「……………」
薄く開いたままの扉から姿を現したハオに、ノエルは瞳を輝かせて駆け寄った。
何かを悟ったハオは途端に嫌そうに顔を歪める。
踵を返そうとしたハオを捕まえ、ノエルは思い付いたように提案した。
「ハオくんに調査してもらえばいいのだよ」
「は?いきなり何ですか」
突然会話に巻き込まれたハオは、眉間に皺を寄せて不快感を露わにした。
それに臆することなく、ノエルが話を進めていく。
「いきなりで申し訳ないけれど、アスカくんの友人が見つかったかもしれないんだ。それを確かめに行ってほしくて…」
「どうして俺が」
「他に手の空いてる人材がいないのだよ。サワくんは貴族に疎いところがあるし…君が適任だと思ってね」
「嫌です。俺は忙しい。今だって依頼から帰ったばかりで疲れてるんですよ」
即答するハオに、ノエルはやれやれと肩を竦めた。
エメラルドの髪を手で払い、ハオの真正面に仁王立ちする。
身長差は歴然としていたが、ノエルの有無を言わせない迫力に飛香はたじろいだ。
「君だってアスカくんと契約した一人だろう?血を欲する以上、彼を手伝う義務があると思うけれど」
「……………」
ノエルの言葉に黙り込んだハオは、チラッと飛香は盗み見ると盛大にため息を吐く。
露骨な態度にムッとしたが、飛香は黙って様子を見守った。
「…俺は別に契約とやらをした覚えはないんですけどね。どうせ全員参加させた方が面白いって理由でユーリス辺りが提案したんでしょう」
「でも、今更降りるつもりもないのだよね?」
「……………」
「だったら決まりなのだよ」
にこりと微笑んだノエルは、飛香を振り返るとぎゅっと手を握った。
どうやら話はまとまったようだ。
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