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鈴のいる風景2~R18腐、オリジナル
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三
鈴が部活の合宿に出て、留守だったこともあり、その夏、俺は一日の大半を、あの倉で過ごしていた。
傍らには、日記と酒。
日記は七歳の夏から始まっていた。
『ひろむじいさまと ふろにはいるのはいやなのに じいさまは はいろうはいろうという。
ちんちんに さわるのはやめてといったら ぶたれた。
ちんちんは ぼくのものじゃ ないのだろうか』
『ひろむじいさまは ぼくをなめまわす。
つばくさくて きもちわるい』
『きのう しげさんにみられた。
たすけてくれるかとおもったのに ぜんぜんとめてくれなかった。
じいさまがかねもちだからだろうか。
ぼくのパパやママがはやくしんだから、ぼくなんか どうなっても いいのだろうか』
『どうしても がまんできないと、まつひがしのおじさんに そうだんした。
どんなことをされたと しつこくきかれたので、こまかくはなした。
けいさつに いいつけてくれるのかとおもったから。
でもおじさんは、じゃあまだ これはされてないのかと ぼくのおしりのあなに なかゆびを まるまるいっぽんいれようとした。
ないた。
しぬほどいたかった』
『まつひがしのおじさんに、そうだんしなければよかった。
はなさなければ、ひろむじいさまのことだけがまんすれば すんだのに。
ひろむじいさまは、なめたり さわったりするけど いたくはしない。
まつひがしは、いたいことを へいきでする。
おしりのあなに ゆびを なんぼんも いれられるようになれという。
そんなことが できるようになって なんになるんだ』
…
これが七、八才の子どもの日記だろうか。
読み進む俺の視界が、濡れたもので霞む。
それでも八才後半からは、少しずつ元気になってゆく麟がいた。
『あまの りん。
声に出して言ってみる。
あまの りん。
ひろむじいさまが 死んでくれたおかげで、まつひがしが へんなやつだったおかげで、ぼくはもう、自由だ』
『あまの りんにはなれないことになった。
ないた。
でもひでにいさんがいってくれた。
みょう字は きたおかのままだけど、おまえは おれの おとうとだって。
にじかん ないたけど、それでもうれしい。
ひでにいさんも、ひでママも、ひでパパも、ぜったいぼくを まもってくれる。
それが 信じられるからだ』
『だきしめられるの、きらいだった。
でも今は、大好きだ。
だって ほんとに だきしめられるだけだから。
なめられない。
さわられない。
それだけのことが、こんなにきもちいいなんて。
あまののうちが 大好きだ』
『クラスのやつに言われた。
なんで あまの ってうちに住んでるのに、きたおか りん なのかって。
よけいなおせわだって言ったら、けんかになった。
なぐりたおしてやったって ひでにいにほうこくしたら、おこられた』
覚えてる。
俺に怒られてるのに、麟はめちゃめちゃ嬉しそうだった。
お袋に褒められた話や、みんなで温泉に行った話、等々、懐かしいエピソードが溢れている。
ところが。
中二あたりのページから、俺の知らない麟が現れて来るのだ。
3へ続く
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