アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
人ニ、戻ル2完結~R18腐、オリジナル
-
再び脇坂 里香
修とのしっとりセックスは満喫したけど、犬同席ってのはなあ…
なんか触られた気もするし、こんな日々で犬君は、果たして人間に戻れるのだろうか。
掃除機をかけながら玄関ホールに出ると、例の場所で、犬君はまどろんでいた。
例によって明かり取りからの光の中で、産毛を光らせている。
なぜこの裸の少年は、こんなにも美しいのだろう。
美しくなければこんな世界に引き込まれることもなかったのではないか。
でも美しさはかれの罪ではない。
美しさ以外もかれの罪ではない。
どんな理由があったって、少年を犬にするのは間違ってる。
私は掃除機を置き、鈴の傍らに座って髪を撫で始めた。
鈴がちらと私を見上げ、再び頭(こうべ)を垂れ、私に躰を預ける。
私は撫で下ろす手を、背中の方まで広げる。
屋敷の静かな昼下がり。
今ここには、私と犬だけ。
キス、してやったらどうなるだろう。
悪しき心がふとゆらめき立ち、私は鈴のおとがいに触れて、自分の方から寄っていってキスした。
触れるだけのキス。
果たして、犬はひどく狼狽した。
夫に吐息させて平然としていた犬が、こんなことに動揺するのが可愛くて、キスを少しだけディープにする。
案の定、鈴は受け止めず、逃れようと腕をもがく。
腕を。
犬なら腕はないはずだ。
いいぞいいぞ。
見れば頬にはかすかに朱が差し、かれの股間にはすらりとしたそれが、私に触れてくれと言わんばかりに屹立している。
間違いない。
今、この子は人だ。
でもどうしたらこの、ささやかな亀裂を押し開けるのか。
チャンスは多分今しかない。
私は鈴の両腕を軽く押さえ込み、邪魔させないようにしたまま、唇を下半身に持って行って、根元から先端へ、そおっと舐め上げた。
「!」
どんなことでも平気でするはずの犬が今、身もがき、慌てふためく。
構わず~おずおずだけど~続けていると、
「あっ、ああっ」
と声を上げて鈴が暴発、白濁は私の髪と顔にかかった。
たったこれだけのことで、難攻不落の人犬が陥落したのだ。
私は少し茫然となったけど、もっと茫然となったのは当の鈴で、少女のように床にぺたんと座り込んだまま、しばらく微動だにしなかったが、
「ごっ、ごめんなさいっ」
つぶやくように言って立ち上がり、バスルームへと、前を押さえて走って行った。
前を押さえて?
走って?
ごめんなさい???
私は噴き出した。
鈴
バスルームで冷たいシャワーを浴びながら、僕は心底から動揺してた。
思えばシャワーコックも手で開けた。
バスルームのドアもだ。
僕はいったいどうなっちゃったんだ。
いや。
本当は、僕はもうとうに、犬ではなくなっていたのだ。
宗田さんが死んでから、僕を強制する存在はなくなっていたのに、僕は惰性で犬でいた。
奥さんはそれに気づかせてくれたにすぎない…
その日から僕は少しずつ、通常の世界を取り戻していった。
着衣を整え、二足歩行し、会話し、家事を手伝う。
奥さんはとてもいい先生だった。
雑巾の絞り方から人との接し方まで、ありとあらゆる事柄を教えてくれた。
「あなたは自分が美形であることを、まず認識しなきゃいけないわ。
ああいうことが出来るとか出来ないとか、そういうことじゃないの。
あなたそのものが、他人の、獲得意欲をそそっちゃう。
だから用心しなきゃいけないのよ」
バスや電車で出かけるやり方も、スマホやインターネットの使い方も、いや、町中での、他者(ひと)との、当たり障りのない会話すら、奥さんがいなかったら全然身につかなかったと思う。
「最近里香にばっかべったりだな。僕への感謝はないの?」
みたいに、脇坂さんは少し不満そうだけど、
「感謝は不要って言っといたわ。修さん、どさくさ紛れにあなたのこと使ったし。これからは、こーゆーやつにこそ用心するのよ?」
わかってる。
脇坂さんの中には、宗田さんに通じるものがある。
だから僕はあれ以来、脇坂さんとは出来るだけ、距離を置くようにしていた。
というか。
僕は奥さんを、ほんとに好きになっていたのだ。
僕は気持ちを伝えた。
奥さんは少し困ったようだった。
「多分それは、勘違いだよ。
鈴君は、ひとに、ふつうに親切にされたことがないから、嬉しさを恋と勘違いしてるんだよ」
かえって脇坂さんが面白がった。
「鈴は多分女未経験だからさ、そっちも教えておいた方がよくない?」
「それはこれから鈴君が自分で…」
「初めてのセックスで、いきなりケツ舐められたら、女の子引くだろ?実践は必要だよ」
「女の子、どこで調達するのよ。最近のチャラい子とかヤよ。病気とか持ってそうだし」
我ながら偏見とは思うけど、と付け加える奥さんを、僕はただうっとりと見ている。
そして脇坂さんも奥さんをにこにこと…
「私?…私いいっ?」
奥さんはめちゃめちゃ迷ったみたいだけど、僕の筆下ろしに付き合ってくれることになった。
「オバサンだからあんまり見ないでね」
奥さんはそう言ったけど、僕はとても素敵だと思った。
抱きしめて、ベッドに押し倒す。
最初はキス。
いきなりディープにはしない。
相手が受け入れそうだったら、だんだんしつこいのにしていくけど、相手が拒んだら、一つ前のレベルに戻す。
「演技の『やめて』もあるから、その辺は判断ね」
キスしながら、相手を脱がせていく。
もちろんボタンを噛み取ったりしないし、ファスナーも手で下ろす。
ブラジャーはどう外すのか。
胸はどう愛撫すればいいのか。
意外にも、僕はいっぱい困った。
「なんかまごついちゃう…」
「手慣れてても、大して自慢にはならないよ。落ち着いて、ゆっくりでいいの」
「なかに…入っていいの…?」
奥さんはちょっと躊躇したけど、
「いいよ。でもいきなりじゃなく、指とかで少し試してくれるといいかな」
僕はおずおずと、指を差し入れる。
この間みたいに、奥さんはぬるぬるになってる。
なかは襞々で、なんかほわっとあったかい。
僕のそれはもうビンビンに勃って、痛いくらいだ。
僕は用意してきたゴムの封を切り、ドキドキしながら装着した。
「紳士だね。じゃあ来て」
僕は奥さんに覆い被さり、入り口を確かめて分け入った。
ほわっとした温かさが、僕全体を包み込む。
奥さんの内側が、ゆらゆらとゆらめいてるみたいな感じがする。
ダメだ…ダメだ僕…イっちゃう!
殆ど動かないうちに、僕の初体験は終わってしまった…
恥ずかしくて顔が上げられなかったけど、奥さんは、優しく僕を抱きしめてくれた。
新野
脇坂様から達成のご報告をいただいた時には、本当に信じられない心持ちでございました。
宗田様宅には、とても長い間お世話になりましたが、犬の方は最後まで犬で、館を出る形はいつも、お客様への譲渡でした。
四人ほど拝見しておりますし、譲渡先にも伺ったことがございますが、どの方も、その後も犬でございました。
動画を送っていただいたので、鈴様が、着衣で、立って、歩いているお姿まで拝見出来ました。
脇坂様には鈴様を、引き取ってもよいとさえおっしゃっていただきましたが、それはお断りするつもりでおります。
なぜなら、脇坂様はもともと、宗田様とご同様の嗜好の方だからです。
ご本人さえよろしければ、鈴様は私の孫として、以後の人生を送っていただこうと思っております。
袖摺り合うも多生の縁とも言いますし、私のささやかな人生も、終盤ばかりは賑やかなものとなりましょう。
お迎えに行くのが楽しみです。
お迎えに伺ったら、鈴様はおられませんでした。
昼過ぎに、おつかいに出られたまま、戻っておいでにならないとのこと。
お立場がお立場なので、警察に届けるわけにもいかず、脇坂様も奥様も、大変ご心配なさっておいででした。
私も、孫との暮らし~のようなもの~を奪われて、失意で自宅に戻りました。
そこへ電話があったのです。
「新野ご無沙汰ー。元気にしてたあ? ううん。特別用事はないんだけど」
宗田様の奥様からでした。
はい。
このタイミングで。
私は何かとても、空恐ろしいものを感じるのでございます。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 28