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ヒナってな救世主(メシア)
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そのまま結局一言も話さずに一日を終えてしまった。
ホームルームが終わるとさっそうとクラスを出て行く。
それを慌てて追いかけるが何処かで見失う。
「やっぱ、嫌われたよなぁ…」
思わず目に涙がたまった瞬間だった。
「ぴぇえええんっ」
という子供の声ではっとする。
よく知ってる声のありかを探すと
河原にでる。
「泣くなって…」
弟の友人である、皐月 陽夏(さつき ひなつ)
が泣いていた。
「だってぇええ‼︎トワがぁああ‼︎」
「分かったって、だから泣くなよ」
その前におどおどと困っている東雲が居た。
「ヒナ?東雲?」
近づくと俺に気づいたのか東雲は少し険しい顔になりヒナはもっとポロポロと涙を流しだす。
よくトワは彼を泣き虫だと言ったが本当のようだ。
「ごめんなしゃぃいい」
呂律もうまくまわっていない。
「じゃあ俺行くわ」
と東雲が行こうとするのを止めようと思う前にヒナが捕まえた。
「行かないでよぉおおおおお‼︎」
涙でぐちゃぐちゃの子供に言われると流石に弱いのかぐっと苦虫を噛んだような顔をしながらその場に座り込む。
「トワがどうかしたのか?」
聞くとこくんと頷く。ヒナが泣くのは大抵トワの事だ。
「トワにねっ…ぐすっ…久遠しゃんとねっ…トワぁっ…どっちがねっ…好きってね、聞かれたのぉっ…」
我が弟ながらなんて事を聞くのだろうか。
東雲も若干引いている。
「だからねっ…どっちもぉ…ってね言ったらねぇっ…もぉいいって…どっかねぇ…行っちゃったのぉっ…」
それはまるでさっきの自分のようだ。
「トワに嫌われたぁっ?…トワ傷ついたのかなぁっ…?トワぁああっ…」
まったくもって凄い餓鬼どもだと思う。
トワに限ってはヒナより一つ上なのだからもう少しお兄さんらしくして欲しい所なのだが。
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