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吉野さん可哀想
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ジリジリなんてありきたりな時計の音で目が覚める。
「あー…」
結局昨日は、東雲の事を考えていて寝不足だ。
いつまでも鳴り止まない時計の音に
バンッとドアが開きギロリと低血圧である弟が入ってきた。
「うるさいなぁ。アンタの時計ぶち壊そうか?」
睨まれビクリとする。
我が弟ながらなんて怖さだ。
小学生の癖して…。
恐る恐る時計を止めると糸が切れたように
ばふんっと俺のベッドに倒れこむ。
「あー、トワ君?」
くぅっという仔犬の鳴き声のような音がし、
あ、寝てるということを確認する。
こうしてればまだまだ可愛いのになぁ。
重い体を起こしトワを抱え部屋に運んでやる。
それから制服に着替え
パンを咥え学校へと向かう。
校門につくと同時に目の前に黒いリムジンが着く。
開くと
「やぁ、おはよう。って、目逸らすなよ!」
「…ゆっきー、朝から元気だねぇ」
ゆっきーが出てきた。
こちとら一日中東雲に振り回されて疲れてんのにこいつはお肌ツルツヤで元気良さげ。
腹立つ。
「昨日は、何人だよ…」
それにヘラッと笑ながら
「3人かなぁ」
最低だこいつ。最低だこいつ。
「吉野さん可哀想。」
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