アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5
-
(颯斗side)
「ここか…」
紙に書かれた住所。
高級住宅街に建つ一軒家のインターホンを押す。
少し経ってからインターホンから声が聞こえた。
『…颯斗?』
「そう。今話できる?」
『あぁ、今開ける』
声が切れるとドアが開いて葵が出てきた。
「久しぶり。…風呂入ってた?」
「あー、うん。ちょうど上がったトコ」
「…ふーん」
昼間に風呂…
「あがれよ」
葵に言われて中へ入る。
リビングに行くと和室も併設されてて外見同様に広かった。
「綴は?」
「……部屋で寝てる。ソファ座ってろよ」
不自然に視線を逸らされる。
まさか、コイツ…
「朝っぱらからヤッてたのか、お前」
今綴が部屋で寝てるといい、風呂上がりって事はと思って聞いてみたら案の定図星をつかれた表情を見せた。
「怪我で療養中のくせに」
見た感じ、葵の顔の包帯はとられてて傷も分からないくらいに治っていた。
「し、仕方ねーだろ!つか、何しに来たわけ?」
話逸らしたな。
コーヒーを手渡されて座る葵に呆れながらも本題に入った。
「まぁ、いいけど。ちなみに今日来たのは店のこと」
「店?なんかあったわけ?」
「店ってか…お前に」
コーヒーを一口飲んで葵に向き直った。
「俺たちの店と敵対してたBlack Moonあっただろ?」
「あぁ。流紀夜(るきや)がいるとこね」
流紀夜…元々俺たちの店にいて葵と一番競い合っていた。
色々あって今の店に引き抜かれたんだけど。
「アイツが何?」
「落ち着いて聞けよ。…お前の客、ほとんどそっちに流れてる」
「はぁ?」
「真緒の一件あっただろ。それでお前が休養で休みに入る事も他店に知れ渡ったんだよ」
俺の話を聞きながらタバコを取り出す。
咥えたタバコにライターを取り出して火を付けた。
「…アイツ、今になって」
「客も流紀夜のこと知ってるし、お前が休んでる間に連絡とったんだろ」
「ちはるさんは?」
「…行ってる。おかげで売り上げもね」
葵が休んでこれだけ影響があるとは思わなかった。
「他の奴らも頑張ってんだけど、お前の客って特殊なの多いじゃん」
「確かに…」
そう会話をしてると、リビングのドアが開く音がした。
「…真緒」
「あ、颯斗さん」
そこにいたのは葵のシャツだけ着た姿の真緒で。
ぶかぶかだから下半身まで隠れてる。
「起きたの?お前」
「はい。すいません…俺、」
立ち上がった葵が真緒の方に行って、何か話してる。
「…腰いてぇだろ」
「葵さんっ…」
おいおい、お姫さま抱っこかよ。
リビングを出て暫くしてから葵だけが戻ってきた。
「随分優しくなってるじゃん。綴に」
「…怪我人だからな」
「その怪我人を朝から抱いてんの?」
意地悪過ぎたか。
葵に一睨みされたけど俺は面白くて。
「好きなの?綴の事」
「アホか。んなわけねーだろ」
呆れたように否定する葵。
そんな風に見えないんだけど…
「とりあえず、社長と高山さんに連絡して店にも顔出すから」
「あぁ、よろしく」
話も終えて俺は立ち上がる。
「綴にあんま無理させんなよ」
「…わかってる」
まぁ、なんだかんだ仲良くなってて良かった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
92 / 196