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「はぁー…マジか」
颯斗が帰った後、現実に戻された感覚。
力なくソファに倒れ込んだ。
こんな長期間休んだ事ねぇし、なんかすげぇ寛ぎ過ぎてた。
「…流紀夜」
久々にその名前聞いた。
アイツがまだうちにいる時は毎日争ってた。
入った時期も同じだったし、唯一ライバルと思ってたけど。
今はもうね…
「…はぁ、面倒くせ」
関わる事なんてないと思ってたのに。
仕方なく携帯を取り出して客の連絡先を出す。
「…葵さん」
「休んでろって言っただろーが」
さっき部屋に返したはずの真緒がまたやって来た。
「仕事、大丈夫ですか?」
コイツ…
「聞いてたの、お前」
「…すいません」
俯く真緒に息を吐いた。
隠すのも面倒で俺はソファを叩いて呼んだ。
「どこまで聞いてた?」
「…る、流紀夜さんて人のとこまでです」
全部かよ。
「俺のせいでみなさんに迷惑かけてすいません…」
「だからお前のせいじゃねぇって。客には今日連絡しとくから大丈夫」
俯いたままの真緒の頭を撫でる。
「…ありがとうございます」
問題は流紀夜の方なんだけどな。
「とりあえず明日顔出してくるから。お前は休んでろよ」
小さく頷く真緒の顔を上げさせる。
「ホント泣き虫だな、お前」
目に涙を溜めた真緒は微かに震えていた。
普段無表情なくせに。
「心配すんなよ」
涙を舌で舐めて拭う。
「…葵さん、あの…」
「何?」
「………なんでもないです…」
そう言ってまた俯く真緒を仕方なく抱き締めた。
「明日、帰ってきたらどっか出かけよーぜ」
きっと休みも終わり。
最後くらいね。
気晴らしになればと思いながら真緒の頭にキスを落とした。
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