アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2
-
「…最悪」
頭から足までビショビショ。
「だ、大丈夫ですか?」
「お前もな」
真緒の手を引いて立ち上がる。
「濡れちゃいましたね…」
「はは、なんか笑える」
俺につられて笑う真緒に自然と体を寄せていた。
「葵さん…っ」
キスしようとしたその時…
「なーにしてんの?」
聞こえてきた声の方を向くとそこにいた人物に目を見開いた。
「…るき」
つい昔呼んでた呼び方を口にしたらあからさまに嫌な表情を浮かべる。
「やめろ。ムカつく、その呼び方」
「…なんでここにいんの」
「どこにいようが俺の勝手だろ。…つか、それが噂の新人?」
流し見るように真緒を見てくるるきから隠すように背後へ移動させた。
「だったら何。それよりお前、他に言うことないわけ?人の客奪っといて」
「休んでるお前が悪りぃんだろ。こっちも仕事なんでね」
「まぁ、別に一人残らず返してもらうけど」
俺の言葉に尚更睨んでくる。
バチバチと睨み合ってると後ろにいた真緒がくしゃみをした。
「っ…すいません」
そーいやビショ濡れだった。
「大丈夫かよ」
振り返って真緒の背中をさする。
コイツ体温低いからなぁ…
いつもより冷たく感じる。
「……………」
ジャリッと音がして、るきの方を見たら背を向けて歩いていた。
「おい、るき…」
「まずはそのみっともねー姿どうにかしろよ」
振り返ることなくそう言って、るきはまた歩き始めた。
…何なんだよ。
まさかこんなとこで会うなんて思いもしなかった。
「っ、くしゅ…!」
「とりあえず、着替えるか」
またくしゃみをする真緒の手を引いて、車に戻った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
97 / 196