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zeneru
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「ただいまー」
「おぅ。帰ったか」
二週間のハネムーンはあっと言う間に終わり…
雪国からいつものネオンが光る街へと帰って来た。
店に着くとまだ開店前で社長と高山さんもいた。
「満喫できたみたいだね。二人とも肌ツヤツヤ」
そう言って真緒の頬を撫でる社長。
「はい。お休みありがとうございました」
「どーいたしまして。また葵にはバリバリ稼いでもらわないとだし。今までの分も含めて」
ふふっと笑う社長に夢から現実に突き落とされる感じがした。
「早速今日からよろしくね」
帰って来たばっかなのに鬼か。
思っても言葉には出せないけど。
「あー!真緒たち帰って来てるじゃんっ」
「わっ…」
背後からデカい声と共に走ってくる足音。
気付いた時には真緒の背中にカイが飛び乗っていた。
「おっかえりー!」
「た、ただいまです…」
相変わらずうるせぇなコイツの出迎えは。
「お前な、綴が潰れる」
そんなカイを呆れながら離す颯斗。
「おかえりなさいっス!」
隣には和希もいた。
「おかえり。楽しかったか?」
「まぁな。お前らも元気そうで」
「…煩いくらいだよ。こっちは」
そう言って両隣のカイと和希を見る颯斗。
「なんで俺見るのさ!」
「カイさん元気過ぎなんスよ〜。颯斗さん困らせちゃダメッス!」
「いやいや、お前もだから!」
…自覚あんのかよ。
「あはは、元気が良くて何よりだ。その調子で売り上げも伸ばしてくれ」
「それとこれとは別ですよ!」
「厳しいっス…マネージャー…」
高山さんの言葉に落ち込む二人。
社長は笑ってるし。
「別じゃねぇよ。仕事だろーが」
「げ…莉緒…」
続けてやって来たのは莉緒だった。
「随分長い休養だったな。もう指名ゼロなんじゃねーの」
「残念ながらアフターまで入ってますから」
そう言ったらあからさまに舌打ちする莉緒に社長が口を開く。
「莉緒、葵が帰って来て嬉しそうだね。顔が生き生きしてる」
「これで一位奪えるんで。…今月こそ負けねぇからな」
そう言ってホールに戻って行く。
「負けず嫌いだなぁ…相変わらず」
呟くカイに俺は社長と高山さんを見る。
「アイツ、俺がいない間一位だったんじゃないんスか?」
今月こそって…
「あー、そうだったけどな…」
「お前がいない間の一位なんて意味ないってさ。正々堂々勝負したいんだって」
「カッコいいっスね!莉緒さんっ」
カッコいいっつーか…
素直に喜べばいいのに。
「俺がいたら取れないっスよ。No. 1なんて」
まだ譲る気も越される気もねぇし。
「こっちも変わらずか…」
「流石っス、葵さん!」
カイの呆れ声と和希の声がハモった。
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