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店内に響くシャンパンコールは止む気配がなく。
客から渡されるバレンタインのプレゼントは今日一日で持ち帰れる量ですらない。
高級チョコから車まで多種多様。
「葵さん、次あちらのテーブルお願いします」
「ん」
今日はもう五分と座ってられない程、移動してる時間の方が長ぇ気がする。
にしても…
さっきの真緒の姿が頭にチラついて仕事どころじゃない。
にやけそうになる口元を手で抑えた。
「葵ー?」
「っ、」
ヤッベ…!
客に呼ばれて慌てて席に座る。
たく、アイツにあんな服着させたの誰だよ!
「やっぱカッコいい!似合ってるよ。高校生は無理あるけど」
「はは、そんなガキに見られてもね」
気持ちは若いけど。
「じゃなくてー、葵の雰囲気とか絶対高校生じゃ出せないでしょ!明らか浮くもん」
「そうじゃなくても出せねぇよ。絶対」
擦り寄ってくる客の腰に腕を回しながら答える。
「ふふ、葵らしー。…ね、今日終わった後空いてる?」
「ごめん。今日はもう約束入ってて…また今度な」
「えー…制服姿の葵とデートしたかったなぁ。明日は?」
明日ねぇ…
「ちょい待って」
携帯を取り出して予定を確認する。
暫く入ってんだよな。
アフターも同伴も。
でもここで断ったら機嫌損ねるのは確実。
「んじゃ、明後日の昼間は?夕方までなら会えるけど」
「ほんと!?いいよ!」
…これで当分休みなし。
内心テンション下がりながらグラスに残ってたシャンパンを飲み干した。
ーーー
「はぁ…」
つっかれた…
怒涛のように終わったバレンタインイベント。
でもまだアフターがあると思うと…
また溜め息が出そうになるのをぐっと堪えて更衣室に向かう。
前はこんなんじゃなかったのに。
「あ、」
ガチャッと開いた事務所のドアから出てきたのは真緒で。
変わらずセーラー服を着ていた。
「お、お疲れ様です。あの、陸社長ってお店ですか?」
…あからさまに視線逸らされたんですが。
しかも第一声がそれ?
「…知らね。てか、ちょっと来いよ」
「わっ…」
腕を掴んでそのまま店のトイレに連れて行った。
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