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お出かけ
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行きつけの店に寄って、店員から新作と言われた服を適当に試着。
考えんの面倒だったし、ちょうど良かった。
「どう?」
「あ…」
「さすが流木様!お似合いです!」
試着室から出れば、顔を赤くする真緒と褒める店員。
周りの客の視線も感じてつい微笑み返したら、黄色歓声が上がった。
…職業病だから仕方ねー。
とりあえず着心地も悪くなく、買い決定。
「んじゃ、コレにするわ」
「ありがとうございます!値札お取り致します」
「他にも服見てぇから、外していーぜ」
値札を取った店員にそう言えば、頭を下げてその場を離れた。
「……あ、葵さん…」
よし服見よー、と思ったらか細い声で名前を呼ばれ…
下を見下ろす。
「何」
「…か、かっこいいです……。似合っててて…」
俯きながらそう言った真緒の顔が真っ赤なのは、見なくてもわかった。
「当たり前。俺に似合わない服なんかないからね」
カッコいいなんて自分でよくわかってるし。
歩き始める俺に真緒が遠慮がちに引き止めてきた。
「あの、俺…外で待ってていいですか?」
「外?なんで…」
口にした時、周りの囁く声と向けられてる視線に気付く。
「なんであんなダサい子…」
「あんなんじゃ、流木様が恥ずかしい思いするじゃない」
「でも引き立て役にはちょうどいいかも」
なんて言う客や店員の言葉が耳に入ってきた。
つか、店員までかよ。
あー面倒くせぇな。
そんなんでウジウジしてるコイツも!
「ごめんなさい…。俺外にいます」
申し訳なさそうに言って、頭を下げた真緒は出口に向かおうと背を向けた。
はぁ、手が掛かる…
「待てって。…真緒」
その腕を掴んで引き留める。
にしても細い腕してんな。
「離して下さい。…俺がいたら、葵さんまで笑われちゃいます」
そう言って俺を見上げた真緒の目は潤んでいた。
「なら、お前も服選べば?」
「え…」
「顔はダサくねぇし。服装の問題だろ」
美人系の顔だからね、元が。
それよりも…半袖短パンてのが問題なんだよ。
場所がここじゃなかったらどこにでもいる小学生…
「でも、俺お金…」
「知ってる。俺が出すから気にすんなよ」
最後まで聞かなくても分かる。
あんなボロアパートに住んでるくらいだから。
「それは葵さんに悪いです。俺が離れてればいい事だから…」
…以外と頑固だな、コイツ。
「別に服くらい…。あ、なら…」
「?」
いい事思いついた。
ニヤリと笑って、屈んだ俺は真緒の耳元に唇を寄せた。
「…体でその分返せよ。それならいいだろ?」
「っ、葵さん…!」
「はい、決定ね。んじゃ服選ぼうぜー」
顔が真っ赤になって慌てるコイツの腕を引いて歩く。
まだ何か言ってたけど無視して服を物色した。
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