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「流木様、いらっしゃいませ。いつものカウンター席でよろしいでしょうか?」
馴染みの懐石料理店に入ると、女将さんが出迎えてくれた。
純和風の落ち着いた店。
「いや、今日ニ人だから個室で。予約してないんですけど空いてます?」
「流木様なら予約は必要ありませんよ。それより、失礼致しました。お二人様でございますね。ご案内致します」
柔らかく笑った女将さんが俺の背後に立っていた真緒に気付いて頭を下げた。
小せぇから、コイツ。
「あの、葵さん…」
「黙ってついて来い」
「……はい…」
先を行く女将さんに付いて歩く。
後ろからは早歩きで付いてくる真緒。
「こちらになります」
案内された個室は窓から盆栽や小さい池がある中庭が見えていた。
真ん中にはテーブル。
落ち着く感じの作りだった。
「すごい…」
「お気に召して頂けたでしょうか?」
あからさまに感動してる真緒に女将は微笑んで言った。
「あ、はい」
「ありがとうございます。それと、いつもの二人分で」
「はい。かしこまりました。それでは、お部屋でお待ち下さい」
頭を下げて女将さんは部屋を出て行った。
「…あの、葵さ「とりあえず座ろーぜ。歩き回って疲れた」
座椅子作りの椅子に座ったら、何故か真緒が隣に来て。
「お前そっち座…」
「お、俺…!帰りますっ…」
「…は?」
何言い出すんだ、コイツ。
なんとなく想像はつくけど。
「こんな高そうな所、さすがに申し訳ないです。だから俺…」
「るせぇな。俺が勝手に連れてきたんだからお前が気にすることじゃねぇだろ」
女だったらうるせー位喜ぶのに。
コイツは笑うことすらしない。
いつまでも同じことうだうだと…
「でも…」
俯いてまた何か話そうとしたコイツの胸倉を掴んで無理矢理唇を塞ぐ。
「ん、ふぅっ…」
…甘い。
「んんぅ…!ふ…」
苦しいのか肩を押してくるコイツを無視して、深いキスを続ける。
「ぁ、んんっ…」
ーコンコン、
「!!」
キスの途中で慌てる真緒を仕方なく離して、向かいの席へ座らせた。
「黙って座ってろ」
「…はい……」
小さく頷いたあと、女将さんが料理を持って入ってきた。
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