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あれから香水をいつも以上につけたおかげか、何も言われずに済んだ。
ただ少しキツイと言われたけど変なこと疑われるよりかはまし。
「…お疲れ。葵」
「お疲れ」
ロッカーで帰り支度してたら颯斗がやって来た。
「今日アフターねぇの?」
「ある。…これから行くの。疲れるわー…」
仕事中よりアフターのが疲れる。
帰って寝たいし。
「…そー言えば、綴と何かあった?」
その名前に一瞬ドキリとした。
「…なんで?」
「カイが綴と同じ香りするとか言ってたから」
あの野郎…
「別に、何もねぇけど。…変な誤解してたらやめろよ。虫唾が走る」
バタン、と強めにロッカーを閉めて言った。
隣ではこわーとか言ってる颯斗に背を向けて出て行こうとしたら…
「あ…」
「…綴じゃん」
タイミング悪すぎだろ。
…まぁ、どーでもいいけどね。
「葵さん…、」
「仕事終わったら話し掛けんな。それ以外の教育なんてゴメンだから、俺」
「っ…ごめ、なさい……」
今にも泣きそうな顔を俯かせたコイツの横を通り過ぎた。
背後では颯斗の溜め息が聞こえて。
普段無表情な癖に。
こんなんで泣きそうになんなよ。
そう思って、アフターへと向かった。
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