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(真緒side)
「…んじゃ、またな」
「……………」
畳の上に無造作に横たわりながら、その言葉に絶望感を感じた。
また、くるのかと。
バタンとドアが閉まったのを聞いた途端、涙が溢れた。
…逃げられない。
俺の生きる場所は、彼処しかない。
気が済むまで犯された体の傷みより、ずっと、ずっと胸の奥の方が痛くて。
苦しい。
ーガチャ、
「…?」
…兄さん?
忘れ物でもしたのかと、怠い体を起き上がらせた。
だけど、そこに居たのは。
「あ、葵さんっ…」
「…何?お前もう寝てたの?」
本当にガキだなーと言いながら、ネクタイを緩めて座る葵さんに俺は慌ててワイシャツしか着てなかった体を布団で隠した。
なんで…
どうして、ここに…
「にしても、クセーな…。誰か来てたわけ?」
タバコを取り出して火を付ける葵さんからはすごいお酒の香りがする。
まさか、酔ってる?
「……葵さん、どうして…」
「あー、客とアフター行って飲みたくもねぇワイン飲まされて散々酔わされたんだよ!」
少しキレ気味で言いながら、煙を吐き出すけど怖くはなかった。
「しかも、それをいい事に俺の体勝手に使ってオナりやがったの。…もー、マジでムカつく!」
見ろよ、この痕!と言われて、ワイシャツのボタンを外した葵さんの胸元は赤い痕が点々としていた。
「…大変でしたね。お酒、弱いんですか?」
「好きだけど。ワインは嫌いー。…悪いかよ」
…話が噛み合ってない気がする。
そんな事を思っていたら、布団の中から抱き上げられて。
抵抗する間も無く葵さんの膝の上。
「あ、葵さん…!ダメですっ…」
「何が…。つか、お前マジ臭い。いつもの香りしねぇし」
くんくんと首筋を嗅がれてくすぐったい。
「…俺、お前の香り好きなのに」
…え?
好き、その言葉に胸が高鳴った。
ダメだと分かってるのに。
「……でも、気持ち悪いって…」
「んー?言ったっけ?んな事」
お酒で忘れてるのか、本当に忘れてるのか分からないけど好きと言って俺を抱き締めてくれる葵さん。
…こんなに汚いのに。
「葵さん…離して、下さい…。汚れちゃう、から……」
兄さんの精液で汚れてる体を葵さんに付けたくなくて、離れようとした。
「汚れてんの?…なら、俺がきれーにしてやるよ」
「そんなことっ…」
させられないです、と言おうとしたら唇を塞がれてしまった。
「ん、ふ…っ…」
熱い舌が入ってきて、お酒の味とタバコの香り。
それだけでゾクゾクと感じてしまう。
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