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食べ終わった真緒を薬飲ませて寝かせた後、俺は高山さんに電話した。
『もしもし…』
数回のコール音の後、眠そうな声で聞こえてきた。
「葵ですけど、今大丈夫っスか?」
『あー、葵か…。どうした?』
「今日休み貰いたくて。もう常連の客には連絡してるんで」
『あぁ、分かった…休…ん、休む!?』
いきなり覚醒した声になって、言葉が耳に響く。
『何かあったのか!?お前が休むなんて!」
「…真緒の体調が優れねぇから。コイツ一人だし、一日付き合おうかと思って」
できるだけ簡潔に伝えて深く聞かれる前に切ろうとしたら…
『へぇ、随分優しいんだね。葵ってば』
「…社長」
その声の主に最悪の二文字が頭に浮かぶ。
高山さんとは違ってどこか楽しげな声。
『休むのはオッケーだけど、手出して悪化させたらダメだよ。意味、わかるよね?』
「分かってます。…じゃあ、ありがとうございます」
『うん。お大事にねー』
そんな聞かれなくて良かったと安心しながら携帯を切った。
…今更あの人が高山さんの携帯出ても疑問にはならないけど。
心臓には悪すぎる。
「はぁ…」
一つ溜め息をついて、俺はタバコを取り出すと火をつけた。
隣で寝てる真緒を横目にして。
「アイツ、本当に今日休むのか!?」
「うん。常連さんにも伝えたのなら大丈夫でしょ。売り上げは下がりそうだけど」
「…まさか真緒の為に休むなんて……」
「いいんじゃない?仕事より大事な子なんだろうから」
「アイツ自身は気付いてなさそうだが…」
「ふふ、そこが可愛いんだよね。葵は」
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