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心地いい体温の中、目が覚めた。
「ん…やべ、俺も寝てたのか…」
隣を見れば、まだスヤスヤと真緒が寝ていた。
部屋は暗くて窓から月明かりが差し込んでいる。
今何時だよ…
布団から起き上がって、頭上にあった携帯を手にとる。
「…八時過ぎ」
一体何時間寝てたんだ。
久々に寝たおかげで体は楽だけど。
「腹減った…」
作るの面倒くせぇし、何か買ってこよーか。
そう思った時、隣で寝ていた真緒の目が開いた。
「…起きた?」
「…なんで、葵さんが……」
目を見開いて驚く真緒を見下ろす。
「今日休んだんだよ。それより、腹減ってねぇ?」
「え、大丈夫なんですか?葵さん、人気なのに…」
「病人の癖に心配なんかしてんなよ。俺なら大丈夫」
銀髪の髪をくしゃっと撫でてその額に自分のをくっつける。
「あ、葵さん…!」
「んー、熱は下がったな。体はどう?」
「大丈夫です。大分楽になりました」
その言葉を聞いて俺は立ち上がる。
「何か買ってきてやるよ。食いたいのある?」
「そんな、減ってないから…」
…またコイツは。
「食わねーと体力つかないよ、お前」
元々体も小せぇから体力ないくせに。
「でもこれ以上葵さんに迷惑かけられないです。だから、もう仕事行っても…」
どの口が言ってんだか。
見るからに行ってほしい面してねぇじゃん。
「んな事気にしてんなよ。…一応教育担当だからね、俺」
そう言ったらなぜか落ち込む真緒。
たく、キリがねぇな…
「とりあえず行ってくるから、大人しく寝てろよ」
「あ…」
俺の服を弱々しく握る真緒の手を振り払って、俺は部屋を出た。
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