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悪夢のはじまり
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葵さんが出て行って部屋に一人になった。
静まり返る部屋に寂しさが襲ってくる。
もう、慣れたと思ってたのに…
でも一緒にいれることが嬉しい。
葵さんはきっと仕事でいてくれてるんだとしても。
俺にとっては特別だった。
「…葵さん」
嫌われててもいい。
どんな形でも一緒にいられるなら、
それでも構わない。
ーガチャ、
「!葵さ…」
顔を上げるとそこにいたのは兄さんだった。
「…よぉ」
「っ、兄さん…」
ニヤリと不敵に笑いながら部屋へと上がってくる。
「葵って誰だよ」
「に、兄さんには…関係ないです…」
「……ふーん。俺に反抗すんの?お前」
ードカッ
「いっ…」
振り上げられた足にお腹を蹴り上げられた。
痛みで声にならない。
ゴホゴホと咳き込んでしまう。
「まぁ、もう分かってるけどな。…今働いてる店の男だろ?」
!?
「な、んで…」
「俺からは逃げられないって言ったはずだぜ。どうせ、その店でも体しか役に立ってないんだろーけど」
「ぅっ…」
髪を痛いくらい握られて、上を向かせられる。
「”仕事”、いなくなった分も使ってやるからな」
「や、やだ…!戻りたくなっ…」
「るせぇよ!」
反論したらまた思い切りお腹を蹴られた。
今度は意識が朦朧とするほど、何発も。
「俺から逃げるお前がいけねーんだよ!ちゃんと働いてもらうからな!このクズ!!」
ードガッ!
「っ、ぅう……」
体を何度も蹴られて、殴られて…
痛みの中俺は意識を失った。
(葵side)
「ありがとうございましたー」
こんなもんか…
近くのコンビニを出てアイツのアパートに戻ろうとした。
「あれって…」
ふと目に入ったのは家電屋。
なんでも売ってんだっけね。
そう思いながらその店に寄ってみる。
色んな家電が並ぶ中、携帯コーナーがあった。
…アイツ持ってねぇんだよな。
その中の一つ、シルバー色のスマホを手に取った。
「いらっしゃいませ!そちら入荷したばかりの新機種になります」
「へぇ…」
新機種ね…
それを店員に差し出した。
「これと同じの、一台買うわ」
今時携帯ないと面倒だし。
アイツが使えるかどうかは別として。
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