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#2-8
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翌朝珍しく智より早く起きた。要にも休ませてやれといわれたし、たまにはこういうのも良いかなと思い朝ごはんを作り始める。味噌汁と卵焼き。これだけは美味しく作れる自信がある。智と付き合っていた時に作ってあげたら"美味しい"って言って頬をほころばせていた。味噌汁は白ネギと薄あげ。卵焼きは砂糖派だ。
味噌汁のいい匂いがしてきた頃、智が
"裕樹さん…?"と目をこすりながら起きてきた。
"おはよう、智"
"この匂いは…お味噌汁ですか?"パッと笑顔になる。
"そう、あと卵焼きも作るよ"
"本当ですか?僕裕樹さんの卵焼き甘くて好きです"
"智にはかなわないよ"智は俺をほめるのが本当に上手い。なるほど、たまにはこういうのも悪くない。卵をといてフライパンに流す。焦げないようにしながらもゆっくり巻いていく。…よし、今日も上出来だ。お皿にうつすと綺麗な黄色の卵焼きが出来ている。
"智座ってて?蒼大起こしてくる。"
"ならよそっておきますね"
寝室に向かい小さな体をゆする。
" 蒼大…"
"んっ…"寝起きの良さは智と同じだ。一瞬で起きる。
"あ…パパ"ふにゃと笑う。
"おはよう、蒼大。今日は卵焼きあるよ"
"たまご…?" 蒼大は俺と一緒で卵が好きだ。パッと智そっくりの笑顔を見せる。
"そうだよ、だからおっきしよーね"ベッドからだっこしておろしてやる。
" たまご…たまご"ベッドから降りるとすぐに走っていく。思わずクスリと笑いながらついていく。
"おはよう、蒼大"智が蒼大の頭をくしゃくしゃとなでてやる。
"まぁ…たまご…"
"はいはい"クスリと笑いながらも智が蒼大を子供ようの椅子に座らせてやる。
"では…いただきます"俺が手を合わせると蒼大もパチと手を合わせる。フォークに玉子焼きを突き刺してモグモグと食べる。
" まぁ…おいちい"ニコニコしながら食べる蒼大を見て本気で嬉しかった。これからもたまには作ろうと決意した朝だった。
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