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#2-21
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"っ…あっ…うっ…"さっきから片方の手をベットに備え付けられている手すりに起きもう片方の手は俺と握っている智。
"はーい、智くん、息吸ってー"沙知さんが智のお腹を押しながら言う。
"はい、力んで"
"ん…っく……っ…"俺の手を強くにぎりながら力む智の目には涙が出ている。
"智…頑張れ"優しく頭をなでてやりながら言うと小さくコクコクとうなずく。産婦人科医という立場上よく出産場面には立ち会うが本当に産む人っていうのはすごいと思う。孕ませるほうは本当に楽だと思う。つわりないし、こんなに痛い思いしないで子供抱けるし。でも嫁のこんな姿を見ると子供を絶対大切にしようと思う。
"っ…あ…いっ…"
"智君、後もう少しだから…"ひぃひぃ言いながらも頑張って息んでいる智。思わず俺も一緒に息んでしまう。なんとか意識を保っているが多分もうそろそろ限界が来ていると思う。
"うっ…あっ…ふっ…っ"
"もう頭出てきてるね、辛いね…旦那さんにだきつこうか"智が必死に頷いて俺に抱きついてくる。
"大丈夫…大丈夫…あと少しだから"ぎゅっと智を抱きしめながら背中をなでてやり一緒に呼吸する。
"はい、最後だよ、息吸ってー息んで"
"っく…あっ…あっ…"これまでの何倍もの力で一気に息む。
"っぎゃあ…んぎゃあ"気づけば日付が変わって綺麗な空が見える。やっと待ち望んでいた声が聞こえた。
"青野先生、智君、おめでとう、女の子だよ"沙知さんの言葉を聞くとふにゃと弱々しく智が笑う。
"智…頑張ったな"優しく頭をなでてやるとふっと肩に重みがました。ふと見ると智が意識を飛ばしたようだ。
"2900gの女の子だよ…ってあれ?"沙知さんが赤ん坊をきれいに拭いて俺に見せるが智を見て苦笑する。
"疲れちゃったんだね"
"そうみたいですね…抱かせてもらえますか?"
"ええ、どうぞパパ"智をベットに倒してやり白い布にくるまれた我が子と対面した。ひょいと抱かせてもらうとその小ささに驚く。
"はじめまして…やっと会えたね"思わず笑みがこぼれる。目元が智に似ている気がする。
"はい、じゃあ後は私達に任せて、智くんお願いね"子供を沙知さんに預けて智に向き合う。額に汗は残っているものの綺麗な顔立ちをしていた。
"ありがとう、智"その綺麗な顔の額に優しく口付けしてやる。そのまま智が起きるまで手をからませてにぎっていた。
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