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#2-27
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一方その頃蒼大は智に甘えていた。いつもは俺にべったりな癖に久しぶりに智に会ったからかずっと話している。と言っても語彙はあんまりないから
「あのね…あのね…」といってとにかく自分に興味を向かせたいみたいだ。でも奏花が泣くとミルクをあげたりオムツを替えないといけないから少し蒼大から離れないといけない。智が蒼大から一瞬でも離れたら蒼大が泣き始める。いわゆる赤ちゃん返りというものだろうか。蒼大が泣けば俺も抱っこするがいつもは泣き止むのになかなか泣き止まない。
「蒼大…」根気強く背中を撫でるもなかなか泣き止まない仕方なく智のお母さんに任せる。智のお母さんが抱けば少し落ち着いたみたいだ。智の匂いに似てるからか子育て歴か…。そのどっちもだろう。
「蒼大寝たよ」お義母さんが蒼大を渡してくれる。
「あ、有難うございます」
「赤ちゃん返りかな」俺が抱いている蒼大の頬をぷにぷに触っている。
「でも大丈夫よ、あの湊も赤ちゃん返りしちゃったから、智が生まれたとき」
「そうなんですか?」驚いた。湊さんは幼稚園で栄養士として働いていている智のお兄さんだ。あまり会った事はないがあまり笑っている印象をもたない。もちろん泣いている印象なんて1mmも感じさせない。
「ずっとお母さんの注目を浴びていたのが自分だったから急に怖くなっちゃうんだよ」なるほど、そう言う事か。俺は初めて赤ちゃん返りの意味を知った気がする。
お兄ちゃんになったとはいえまだまだ2歳。きっと甘えたいのだろう。そう思うと強く抱き締めるほかなかった。
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