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恋をしました。
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恋を、しました。
とても明るくて、一緒にいると楽しくて、俺のことをいつも気にかけてくれて、俺が笑えばあなたも笑ってくれて、俺が悩んでいれば一緒に悩んでくれて、俺が泣けば傍にいて肩を抱いてくれて、学校にいる時と帰りはいつも一緒で、暇さえあれば遊んで、たまにお泊りしたりして、お互いの家を行き来して、テスト中は一緒に勉強して、夏休みや冬休みには旅行にいったりもして
そんな、ごくありふれた親友と呼べる、あなたに、あなた、に
恋を、しました。
恋を、してしまいました。
でも、この気持ちを伝えることはできませんでした。
どうやっても、口に出すことはできませんでした。
きっと口に出してしまえば、とても大きな何かが音を立てて壊れてしまう。
だから、だから俺は、
「俺たち、ずっと親友でいような」
あなたと、ずっと親友でいることを選びました。
それが一番、あなたのためにも、俺のためにもなると、思ったから、です。
だけど、
「俺、彼女ができたんだ」
あなたの嬉しそうなその顔に、俺は心臓を締め付けられました。
やっぱり、この心の奥から溢れ出てくる想いは、どうやっても止めることは出来ません。
いくら自分に言い聞かせも、どんどん溢れ出てくるのです。
好きだ、好きだ、好き、好き、大好き、大好きだ、あなたの優しさが、あなたの笑顔が、あなたの仕草が、匂いが、声が、歯並びが悪くて八重歯がある所も、少しだけ口の悪い所も、涙脆い所だって、全部、全部全部、好きだ、大好きだ。
あなたのことが、
あなたのことが、好きです。
大好き、です。
でも、俺は親友だから
「よかったな、おめでとう」
あなたのことを、祝福します。
だって俺は、親友だから
親友だから、親友だから、だから、だから、親友、親友だから、親友だから、親友だから、親友、だから、親友だから親友だから親友だから親友だから親友だから親友だから親友だから親友だから親友だから親友だから
親友だから
…親友、だから、
……………親友って、辛い。
ああ、ダメだ
涙が止まりません。
胸の奥に抱えていた感情が、涙になって溢れてきたように、次から次へと零れ出てくるのです。
「お、おい!?どうしたんだよ!?」
好きだ、好きなんだ、俺だけを見てほしい、俺のことを好きになって、ほしい、好きなんだよ、俺じゃ、ダメなの、なんで、なんで、なんでなの、ねえ、どうしよう、好き、好き、好きだ、大好き、大好きだ。
恋を、してるんだ。
なんて、俺の独りよがり。言えるわけはなくて、
「…なんでもないよ」
全部、押し込めました。
これで、いい。
恋をしました。
可愛くて、ふわふわしてて、優しそうで、可憐な女の子の隣で、顔を赤くして微笑んでいるあなたに
恋を、しました。
恋を、していました。
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