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節分3
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「ひっ、なんだよそれ!?き、牙…ツノ…っ!」
ーー人間には絶対にありえないものが、目の前の男に突然生えてきた
そんな異様な現象に俺の身体は震えあがり、頭からは危険信号が鳴り響いた。
これは…ほ、本気でヤバイ。
背筋にぞくりとした悪寒が走る。
早くこの場から離れなければと本能的に思い、俺はすくむ足に鞭打って逃げようと試みた。
ーーしかし
「っ、なんだこれ!?」
俺の両足はどれだけ力を入れて踏ん張ってみても、全く動かなかった。
それどころか動かそうと思えば思うほど力は抜けてゆき、壁伝いに崩れ落ちていく。
「っ、力が…入らない…」
まるで泥沼に入り込んだようだった。
もがけばもがくほど、己の意思に反して身体は動かなくなる。
「…っ、く、そ…」
そしてついに、何の抵抗もできないまま俺はその場に座り込んでしまった。
何一つ自分の意思では動かず、今まで味わったことがないような恐怖に苛まれた。
「ああ、そんなに怖がるな人間。なにも痛めつけようとしている訳では無い」
にやりと笑みを浮かべると、その男ーー豪鬼はゆっくりと俺に近づいてきた。
「ひっ、来るなっ…!」
その禍々しいオーラに気圧され、俺の口からは情けない声が漏れた。
一歩、二歩、と詰め寄られ、ついにその距離はわずか一足分となってしまう。
近距離で、覗き込むように見つめられる。
頭髪と同じ銀色の瞳に射抜かれ、俺は瞬きも忘れて息を飲んだ。
じっくりと嬲るような視線が身体を這い、なぜだかドクンと心臓が脈打った。
だんだんと身体が火照っていき、変な気分になってくる。
まるで視姦されているような感覚だった。
「な、なにを…する、つもりですか…」
徐々に呼吸が熱くなり、事態は嫌な方向へと進んで行く。
「それはまた野暮な質問だな。分からぬか、この甘ったるい空気が」
耳元に唇を寄せられ、豪鬼はそう低く囁いた。
「…我はお前を犯そうとしているんだ」
それが合図だった。
「んっんんぅ!?」
突然、荒々しく唇を貪られた。
二本の鋭い牙で下唇を軽く噛まれ、軽い痛みにうっすらと開いたそこにすぐさま侵入される。
歯列を割って入ってきた豪鬼の舌は丁寧に口内を這い回り、ちゅくちゅくといやらしい水音を立てて蹂躙してくる。
「んっ、んぅう〜っ!」
抗おうにも口を塞がれ、更に身体の自由もきかない今のままでは、もうされるがままになるしかなかった。
捕らわれるまいと必死に奥に引っ込めていた舌も豪鬼の淫らな口づけになす術なく、まんまと攫われてしまう。
「ん…っ、ん、ぁ、んんぅ!」
逃れようと舌を動かしたが、付け根をきつく吸い上げられてしまい俺の身体はびくんと飛び跳ねてしまった。
「んっ、ふぅ…ん、ぁ…!!」
背筋に甘い痺れが何度も走り、情けなくも俺の身体はガクガクと震え始めてしまった。
そんな反応に気を良くしたのか、豪鬼は更に口づけを深めてくる。
これほどまでの巧みなキスは初めてで、頭も身体も全く使い物にならなかった。
何度も何度も舌を絡ませられ、ぐりぐりと擦り合わされながら甘く吸い上げられる。
それはまるで、俺の身体の全てを知っているかのような口づけだった。
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