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5月だ!GWだ!801祭りだ!前編
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「ただいまー」
PM18:26、玄関先から能天気な声が聞こえた。
るんるん気分で夕食の準備をしていた俺はその声を聞くなり目の色を変え、全力ダッシュで玄関へと向かった。
「おっかえりー!天輝!!」
ガバリと抱きつき頰を擦り寄せると我が息子、天輝は
「はいはい分かった分かった。離れて父さん」
そう冷たく言い放ち、俺をべりっと剥がした。
「ッひどい…!父さん悲しくて泣いちゃう」
「あーもー分かったから!ただいま父さん」
そう言って天輝は俺を軽く抱きしめた。
「んっ、おかえり天輝」
自らも天輝を抱きしめる。
これは母さんがいた時からの三橋家のルールだ。
このルールは俺がつくったとても大切な決まり事だ。俺には両親がいなかったから、家族というものにすごく憧れを抱いていた。だからこそ、家族との輪を大事にしたかった。
各自帰ったらただいまを必ず言い、みんなで出迎え、ハグをする。
それが俺の考える家族の輪の広げ方だ。
みんなで、と言っても今では俺と天輝の2人しかいないけどな。
天輝が小さい頃、妻は交通事故でこの世から去ってしまった。
それから今まで男手一つで天輝を育ててきたが、最近の天輝は少し冷たいような気がする。
「…もういいでしょ。離れて父さん」
「えっ…、ああ…」
2秒くらい抱き締めると、天輝はするりと抜けリビングへ颯爽と歩いて行った。
残された俺はぽつんと1人突っ立っている状況。
うん…なんか、やっぱり寂しいな。
反抗期?なのだろうか。
それならそれでいいのだが、なんだかもっと深く大切なものがありそうな気がするのだが…。
「まあ、いっか!」
寂しさを打ち消すように手をパンと重ね、天輝の後を追い俺もリビングへと向かった。
今日はこどもの日だから、夕ご飯、頑張っちゃったんだよね!
天輝の反応を楽しみにし、ドアをぱたりとしめた。
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