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携帯攻め2
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「京、聞いてるの?」
あ、やばい。久々にガチでキレてらっしゃる。
流石に俺も調子に乗り過ぎてしまったようだ。
高校生になって俺はケータイという素晴らしきものをゲットした。
ずっと欲しくて欲しくてたまらなかった存在。携帯があれば色々な人とやりとりしたり、ゲームしたり、すごい楽しいんだろうなとずっと思っていた俺は、案の定今ではすっかり携帯の虜だ。
そんな俺は、最近高校で仲良くなった同じクラスの長谷とのメールのやりとりにハマっていた。
それは、楓が勉強している最中ももちろんそうで。
熱心に楓が勉強しているときも、もちろん長谷からメールがくる。
すると当然、着信音がなってしまう。
ピロリン。ピロリン。ピロリン。
部屋が分かれているなら平気だろうが、おなじ部屋で生活する俺たち。
1分おきにピロピロピロピロなってたら、そりゃ勉強中の楓には迷惑だろう。
実際何度も楓に、
「うるさいんだけど?ソレ折るよ?」
とドヤされたりしていた。
「まあ落ち着きたまえ楓くん」
とかテキトーなことを言って今までは逃げてきていたが、今回こそはそうはいかないようだ。
それもそのはず。
楓は3日後に課題テストがあるのだ。一分一秒でも集中したいときなのにピロピロピロピロなっていたら、たまったものではないだろう。
その証拠に今、楓は。
俺のことを「京」と呼ぶのだから。
楓が俺のことを「兄さん」ではなく、本名である「京」と呼ぶときは相当怒っているときだ。
過去に一回だけそういう場面に出くわしたときがある。
楓が大事にしていたブラモデルを踏んづけてしまい、バキッとしてしまったときだ。
あの時の恐怖は本当に忘れられない。
とにかく今は命が危ないと思う。
今すぐにでもこの部屋から脱出しなくてはならない。大事な俺の未来を守るために。
「い、いやぁすまん楓!俺、違うところでやってくるからさっ!!」
そう言って俺はドアノブまで全力ダッシュした。
帰宅部元エースの俺だ。足には自身がある。
楓ごときに捕まるわけがない。
命は助かったと思った瞬間。
「逃がさないよ、京?」
いつの間にか楓は俺の首根っこをつかんでいた。
そしてそのまま後ろにひっぱられ、楓の胸にもつれ込んだ。
「いたたっ…何すんっ…」
楓を覗き込んだ瞬間、俺は、
オワタ\(^o^)/
と全力で悟った。
そこには確かに、怒気を孕んだ目をしてにっこりと笑う楓の顔が。
「さあ、京。楽しい時間の始まりだね」
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