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おじさん受け(リクエスト)1
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俺の勤めている会社の上司は、はっきりいって頼りない。
別に仕事ができないわけじゃない。けれど彼は、いつもキョドって自信なさげに微笑むだけ。
いつも出社がめちゃくちゃ早くてデスクも人一倍整理整頓されいる。取引先に舐められそうな風貌でも一生懸命働くその姿は、さながら従順な犬のようで。
美しい腰つきに少しシワが寄った目元。世間一般には枯れている、と言われる歳になっても彼にはそんな言葉は当てはまらない。
彼にとっては普通に過ごしているだけなのだろうが、その仕草や容姿には他の者を惹き付ける何かがあった。
その儚げな姿から溢れ出る色気、妖麗さ、なんというかその、男を惹き付ける男、という感じである。
それが、柳本 禮紗 (なぎもと れいさ)。俺の最近”気になるあの子”である。
「りょ、綾夜くん」
「はい」
「えと、もし綾夜くんが忙しくなかったならなんだけど、この書類纏めてもらっても…良いかな…?」
「大丈夫ですよ。貰います」
俺が書類に手を伸ばすと彼は瞬く間に笑顔になり、すぐさま「ありがとう」と頭を下げた。
断られるのが怖かったのか、今では安堵の息を漏らしている。
この心底頼りなさそうな人こそが、柳本さんである。
「あの、こんなこと聞いたら失礼ですが柳本さんは俺のことが怖いんですか?」
柳本さんは特に俺の前だとものすごくキョドる。俺は生まれつき愛想が良さそうな外見ではなく、逆にそれ相応の性格をしている為、誤解されることも多々あるが別に柳本さんにはなにもしていないはずだ。
だから思い切ってそんな質問をしてみたのだが、そんな俺にビビったのか彼は視界を彷徨わせ言った。
「あ、えと、そんなことないよ…!その…綾夜くんはカッコいいから少し緊張するだけ……って、な、なにを言ってるんだろうね僕は!」
あはは…と苦笑いをした柳本さんを見ると、背筋にゾクリという快感が走った。
跪かせ、散々に虐めて鳴かせてやりたい。
そんな考えが頭をよぎった。
「…そうですか。ありがとうございます」
自分を取り乱さぬよう冷静に言うと、柳本さんはそんな俺に肩をびくつかせながら、それじゃ、と挨拶し去っていった。
好きな子ほど、虐めたい。
ガキの頃は誰だってそう思うものだ。虐めて、泣かせて、自分しかみないで欲しい。
どうやら俺は、そんな考えを今でも抱えているようだった。
『りょ、や…くん…ッ、やめて』
心の中で柳本さんに懇願される姿を想像しただけで、俺の心は高鳴り、ついつい口角がつり上がってしまった。
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