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おじさん受け7(完)
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柳本さんは身体を支えられなくなったのか膝から崩れた。
「…柳本さん、俺まだイってないです。相手を満足させなくては話になりませんよ?はあ…そんなんで枕なんかできるわけないでしょう」
彼の身体の負担を考え、自身を柳本さんからゆっくりと抜いてやる。
「それに、身体は持つんですか?今でもこんなぐったりしてるのに…って、柳本さん?」
返答がなく小刻みに肩が震えている彼に不安を駆られ、うつ伏せでぐったりしている彼を仰向けに変える。
すると、
「っ…うう……ッく…ひっく…」
美しい瞳からは大量の涙が。
「…柳本さん……」
俺が泣かせてしまったというのは重々承知だが、それ以上にやはり、そんな姿にそそられてしまった。
もはや鬼だな、と内心自分を嘲笑いつつ、彼の頭を優しく撫でる。
「すみませんでした…柳本さん。でも俺は後悔してませんよ。これで柳本さんが枕断るなら、俺は何度でもあなたを懲らしめます。男なんて、怖いものです。あなたも実感できたでしょう?」
仰向けの彼に覆いかぶさりちゅっと軽く頬にキスをすると更に柳本さんは涙を流した。
完全に嫌われたな、と思った。
だが、それで柳本さんの貞操が守られるのなら俺は構わない。
「俺のことは嫌いになってくれていいです。柳本さんにかっこいいって言って頂けたの、嬉しかったですよ」
柳本さんの乱れた服を整え、汗で濡れた額をハンカチで拭くと彼の瞳からまた涙が溢れ出た。
「…俺のハンカチでよければお使い下さい。本当は最後まで綺麗にしてから立ち去ろうと思ったのですが、もう消えた方がいいですね」
ゆっくり立ち上がり、柳本さんを見つめ、最初で最後の告白を彼に。
「好きです。柳本さん…それじゃ、あ!?」
くるりと背を向けた瞬間、後ろから何かにぐいっと引っ張られた。
もちろんバランスを崩した俺はその場にストンと落ちる。
何事かと思い振り向くと、ぎゅっと柳本さんに抱きしめられた。
「は…?え、なんですか……?」
「好き…僕の方が、綾夜くんのことずっと……好きだった」
ぎゅうっと痛いくらいに抱きしめられ、俺は硬直する。
「確かに…僕は枕を要求されたよ…でも僕にはそれを受けるつりなんてなかったんだ。だってそれは、みんなの力を信用していないみたいだから」
驚きの言葉に耳を疑ったが彼は話を続ける。
「君が僕を抱いてくれるなんて、夢にも思ってなかったから…僕は抵抗なんてできなかった……」
騙してごめん、と呟いた柳本さんにはっとする。
「じゃ…じゃあ、柳本さんは俺だけのものですか?」
今の状況が中々飲み込めず、突拍子もない質問をしてしまった。
「綾夜くんがよければ…なんだけどね」
柳本さんはいつものように、困ったように笑った。
「なんだ…それ…」
真実が分かった俺は今までの行動を振り返り、めちゃくちゃ消えたくなる。
「はあー………」
一気に力が抜け、自分の行動の恥ずかしさに悶え、両手で顔を覆い彼と目が合わないようにする。
「…本当にごめんね……ははっ」
柳本さんは悪戯に笑った。
こんな表情を浮かべる柳本さんを俺は見たことがない。
きっと誰も、こんな可愛くて愛おしい彼の姿なんて知らないんだろう。
そう思うと本当に嬉しくなった。
ふう…と一つ、息を吐き優しく抱きしめ返す。
「柳本さんは、今から俺だけのものですよ。他の誰にも渡しませんから」
俺は初めて好きな子の唇に、キスを落とした。
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