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あんなやつ
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授業も終わって今は昼休み。
あれから俺は毎時間蓮に教科書を見せていた。
正直、ものすっごく苦手。
だから、もう関わりたくないのに…
ま、仕方ないよな…隣の席だし。
「はぁ…」
大きなため息を呟きながら、弁当を広げる。
あ、今日唐揚げ入ってる!
ラッキー!
そんなことを思って弁当に手をつけようとしたら、ちょうど購買に行っていた渉が帰ってきた。
ちなみに蓮はどこかに行ってしまった。
イケメン転校生ということで噂はあっという間に学校中に広がってクラスまで見に来る人やまだ蓮が教室にいたときはご飯に誘ってる人もたくさんいた。
だから、だるくなって逃げたんだろう…たぶん。
ま、俺だったらあんなに見られたり注目浴びるの嫌だからなー…
「おっ、今日唐揚げ入ってんじゃん!1個もーらいっ!」
渉は蓮の席に座って、手をつけようとした俺の唐揚げをとって口に入れた。
「ちょ、まだいいって言ってないじゃん!」
「いいじゃんいいじゃん!ほら、俺のクリームパンあげるから。」
「んむっ!」
そう言った渉にクリームパンを無理矢理詰め込まれて。
口をもぐもぐ動かしながら、おいしいからいっか、と思って自分の弁当に手をつけた。
「そういえば佐々木は?」
「…どっか行った。」
「何急に不機嫌になってんだよー。朝の意味わからん発言か?あ、それとも英語の時間の、」
「もう言うな!思い出したくないんだから!」
「んな怒んなって。おまえのこと気に入ってやったことなんじゃねーの?」
「あんなやつに気に入られたくない。」
「まぁ…確かに変わったやつだよなー。」
俺がさっきもらったクリームパンを食べながらそう言う渉にもうこの話はやめよう、と言って、話題は昨日のテレビの話になった。
もうあんなやつのことなんか忘れよ…
別に友達でもなんでもないんだから…
俺は大好きな唐揚げを頬張った。
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