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アルバム絵本
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修二に怒られた後、三人で仲良く川の字で寝た。
僕が真ん中という贅沢な川の字。
奏一さんと修二と腕に絡まって、僕は大満足。
朝が来て、修二と修二のお母さんと、二日酔いの奏一さんとの4人でおせちを囲んでご挨拶。お雑煮を作ってもらって食べたんだけど、すっごく美味しかった♪
菫ママの店でワイワイお正月も楽しいけど、家族の和やかな正月もとっても楽しくてこそばゆくて嬉しい。
奏一「あー、クソ、飲みすぎたぁ…。緋色の野郎ペース早いんだよ」
二日酔いの奏一さんは栄養ドリンク飲みながらブツブツ言って、修二に怒られてた。
修二「飲ませたのは緋色さんだけど飲んだのは兄貴でしょ、夏さん達呼んだくせに寝ちゃって」
奏一「あぁ…デジャブ…、去年も同じこと言われた気がする」
修二「言いました」
奏一「あぁ…、すまん。誰が来てたか曖昧だは、マキはいつ頃来たんだっけ?」
奏一さんが怠そうに頭を抱えながら聞いてきたから驚いた。
マキ「奏一さんが僕を迎えに来たんだよ」
奏一「あっ…、そういえば…そうだったかも…」
えー、記憶なくしてる感じ?
じゃあ、昨日話したのとか忘れちゃったのかな?
彩さんのこととこ、家族の話とか…
…お兄ちゃんに何でも…
……って言ってくれたこととか…
そうだよね、奏一さんかなり酔ってたもんね。
奏一「ごめんなマキ、連れてきたのに寝ちゃって…」
マキ「ううん、楽しかったよ。奏一さんのお友達いっぱい来てたし、修二とイチャイチャ出来たし」
奏一「ヨシ、お詫びに今日はかまい倒すぞ、お参りでも行こうか。ちょっと行ったところに、デカイ神社があるから」
マキ「えっ、でも、奏一さん頭痛いんでしょ、せっかくの休みなんだし休まなきゃ、仕事仲間の人が言ってたよ、酔い潰さないと休んでくれないって」
奏一「何勿体無いこと言ってんだ、行くぞ」
…奏一さんはどうやら、動いてないと気が済まない人みたい…。
奏一さんに連れられて、修二と三人で初詣。
初詣って言っても、僕は百目鬼さんともう言ったんだけどね。
神社は、とても賑わっていて、神社に向かうまでにすでに長蛇の列。商店街の中に神社に向かう列があるから、いろんなお店が売り込みが凄かった。
百目鬼さんと行ったのは近所の神社だったし、今までの正月は厳かな感じだったから、こんなぎゅうぎゅうの満員電車みたいなの初めてでびっくりしたけど、奏一さんがお店で色んなものを買ってくれて修二と半分こしながらお祭りみたいな初詣はすっごく楽しかった。
奏一「修二は、またむつと華南のことお祈りしたの?」
修二「ふふっ、兄貴のこともちゃんとお祈りしたよ」
過保護な奏一お兄ちゃんは、修二の表情1つ1つから、むつと華南が修二を〝いじめ〟てないか上手くいってるか探りを入れながら、上手くいってたらいってたで安心するけど寂しいらしい。
修二はそんな奏一さんを察して、いつも笑っちゃいながら答えてる。
本当、仲良し兄弟。
奏一「マキは、何をお願いしたの?」
マキ「うんとねー、奏一さんの健康と、修二のとこのラブラブと、百目鬼さんの健康とイチャイチャ出来ますようにと、百目鬼事務所のみんなの幸せと、みんなの健康♪」
奏一「ははっ、マキは欲張りなんだか謙虚なんだか…」
マキ「謙虚?謙虚じゃないでしょ」
奏一「フッ、マキと修二のことは、俺がお願いしといたよ」
奏一さんの優しい手が僕の頭を撫でて、人混みから守るように肩を抱く。
どの動作をとてもスマートでカッコ良くて、温かい。
これが百目鬼さんだったら、何故か怒り出して、『他人のことばかりじゃなくて自分のこと願っとけ!』とか頭叩かれて、スタスタ先に行ったと思ったら、人混みに僕が紛れちゃって慌てて『さっさと来い!』って怒鳴りながら乱暴に腕掴んでるんだろうな…。
きっと同じことを注意しようとしてるのに、この違い…。
…奏一さんもてるはずだよなぁ…
賑やかな初詣が終わり、修二の実家に帰り着くと、アパートの前にコートを着た男の人が立っていた。
その人のこと、なんか見たことあるのうな気がして誰だろうって考えてたら、その男の人は、僕たち三人を見つけるとペコリとお辞儀をする。
奏一「あれ?…、タカ?」
タカ?
なんかどっかでその呼び方聞いたような…。
奏一さんの知り合いなら朱雀かって予想してたら、案の定修二もその人を知ってた。
修二「タカさん?ええっ?!タカさん?なんか凄いカッコ良くなってるー!?」
久々の再会、しかもだいぶ年月が経ってるって感じの言い方。
まぁ、普通の会話だけど、ココにむつがいたら「修二はああいうのが好みなのか!」って叫んでゲイバレしてる場面だろうね♪笑
タカ「ご無沙汰してます」
タカさんは二十代半ばくらいの黒髪で、スラっとした身長に、大人な雰囲気のある礼儀正しい人って感じ。
奏一「久しぶりだなぁ、卒業以来だな」
タカ「はい」
奏一「今どうしてるんだ?」
タカ「抜けてから、やんちゃはしてませんが似たような仕事してる感じです」
抜けてってことは、やっぱり朱雀か。
似たようなってまさかヤクザじゃないよね?
そんな荒々しい感じしないもん。
奏一「そっか、今日はどうしたの?」
タカ「すいません奏一さん。マキさんを迎えに来ました」
奏一「は?」
修二・マキ「え?」
奏一さんと修二と僕が同時に驚いて、そして奏一さんと修二に見られたけど、僕は心当たりがなくて首をかしげる。
すると、奏一さんがピンときたらしく、眉間にしわがよってタカさんを睨んだ。
奏一「タカ、まさかお前」
タカ「すいません。ご無沙汰してる上に挨拶もそこそこで、ここには、お願いされて来ました」
状況が飲み込めない僕と修二がキョロキョロしてると、タカさんは奏一さんに向かって深々頭を下げて言った。
タカ「奏一さんは、俺の顔なんか見たくないだろうと思ってずっと自粛してました。だけど、あの人、今の時期ココに来れないからって…、お願いされて。俺、今年からフリーやめてあの人の事務所に雇って貰いました、今日はマキさんを迎えに来ました」
あの人…、ここには来れない、事務所と聞いて、百目鬼さんのことだと思ったけど、驚く単語が混じってた。〝今年から雇って貰いました〟??
僕は何も聞いてない!!
ハテナが飛ぶ僕にタカさんはちょっと困り顔で優しく微笑むけど、奏一さんが吠えた。
奏一「あいつは今どこだ!!ッあっイッテー」
二日酔いなの忘れて怒鳴るから、頭に響いて怒りのボルテージは急降下、そこへ慣れた感じでタカさんが宥める。
タカ「奏一さん、落ち着いてください。今の時期はみんな挨拶しに奏一さんのところに来ますから、あの人がここに来るとマキさんが危険ですから、マキさんのために俺が来たんです。だから落ち着いて下さい。あの人なら、隣の駅に車で待機してます」
奏一「チッ」
イライラした奏一さんが即座に携帯で電話する。
やっぱ、この会話の内容と奏一さんの態度、相手は百目鬼さんで間違いない。
朱雀の人が奏一さんの家に来るから、見つからないように別の迎えをよこしたみたい。
だけど何で、檸檬さんや矢田さんじゃないんだろう。
僕が知らない人について行くわけないのに…
自分の携帯を見たら、メールが届いてた。
初詣の人混みで気がつかなかった。メールには、やっぱり百目鬼さんから、〝高霧という男を迎えにやった、俺は隣の駅にいる〟とはいってた。
…もぉ、親孝行しておいでって言ったのに。
奏一さんと修二に嫉妬して我慢できなかったのね。
なんて思いながら、迎えに来てくれてることを心が喜んでニマニマしちゃう。
…でも…ん??
〝高霧って男を迎えに〟
〝高霧〟ってどっかで聞いたような…
タカ「あの人からメール来てたでしょ。迎えに来たんだけど、俺のこと覚えてる?」
マキ「あっ…」
タカさんは、前髪を掻き上げてニコッと笑った。
その上げた前髪と優しげな顔、やっぱりどっかで…
タカ「あの時は大変だったから覚えてないかな、夏に一度会ってるんだ」
夏?…
僕と百目鬼さんが別れてた時?…
どの場面で会った人か、検討がついた瞬間。
隣にいた修二が驚いたように言った。
修二「マキは、タカさんと知り合いだったの?タカさん、緋色さんのお兄さんだよ」
マキ「えっ!?」
修二「あれ、知らなかった?」
朱雀の元メンバーなのに、百目鬼さんが雇ってて、明らかに百目鬼さんに敵意のありそうな緋色さんのお兄さん!?
一体どうなってんの!??
僕、なんにも聞いてないよ!
神さん!!
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