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俺の最大の癒し
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「おい!樋渡~、ここ違ってるじゃないか!お前は何度も何度も同じ間違いをして…いい加減学習できんのか!!」
「…すみません」
「とっとと直せ!昼休み返上してな」
「畜生…うぜぇぇぇええ!!」
「落ち着けって…」
「あんの禿げ!!ぜってぇ俺の事嫌い!!俺もあいつ嫌いだけどな!!!」
「ははは!」
この就職難の時代を無事に乗り越え春から新社会人になった俺、樋渡宙。
まともに業務をこなしても上司に怒られる毎日で。
「あそこ間違ってなかったし…あいつの見間違いじゃん」
「先輩が言ってたけど課長新人は毎年虐めてるらしいよ~」
「あり得ねぇ…」
「お疲れー」
「あれ、お前残業ねーの?」
「今日はない」
「俺、今日初残業だわ…」
「はは、頑張れよ!じゃ、お疲れー」
「おー!」
同期の小野瀬に別れを告げ早々と退社する。
会社では課長にいびられ、慣れない仕事にあたふたする毎日…。
そんな俺の唯一の癒しは……
「ただいまー」
「…にゃ~ん」
「リクーー!…ただいまぁ~」
可愛い可愛い超絶可愛い。
「いい子にしてたか?ん?」
飼い猫のリク。
俺が1人暮らしする時、ペットOKのマンションをら選び実家から連れてきた。俺が高校生の時に飼い始めたんだけど、そこから俺がベタ惚れなのなんの。家族の中でも俺に1番懐いてくれてると思う。
「リク、夕飯にしよっか」
「にゃあ…」
猫語?とか分かんないけど意思の疎通がなんとなく出来てる。
元々動物好きな俺。高校生の頃は獣医とかも目指してたけど…まあおつむが間に合わなかったわけだ。悲しい。
それでもペットショップとかでバイトとかしてた時期もあったし。
「にゃー…にゃ?」
「じゃーん!今日は宙スペシャル!美味しそうなマグロが売ってたんだよ」
「にゃ~」
リクのご飯はなるべく作ってあげるようにしてる。リクもキャットフードとかよりも俺が作ったご飯の方が美味しそうに食べてくれる……気がする。
ご飯を食べ終わりゴロゴロしてるリクを膝の上に乗せながらテレビ付けて夕飯食べんのが俺の至福の時でもある。
...~♪
お?
スマホに着信があった。
「もしもーし」
《やっほー》
「美丘さーん!どうしました?」
電話の相手は俺がペットショップでバイトしてた時の先輩だった。
《今度僕の家の近くにね、猫カフェ出来るんだけどね、一緒に行く?》
「のおえ?!!マジすか?!行く!!行きます!!!」
あまりの興奮に変な叫びをしてしまった。
《わーい!それじゃ決まりね~!また日時は連絡するよ~!》
「おっけーです!」
《じゃあね~》
美丘さんとは猫好き同士で、バイト仲間の中でも凄く仲がよかった。たまにこうして連絡を取り合ってペットショップ行ったり動物園前行ったりしてる。……男2人でだけど…。
「?」
「あ、リク、あのな、今度猫カフェ行くんだよ。お前も来る?」
「………」
リクが、何何、どうしたの?という視線を投げて来たので説明した。
けど、なんか興味なさそう。
まあ、連れてくけど。
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