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消えたリク:2
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「じゃあ、とりあえず警察には通報しないからさ、出てって」
「は?」
「ええ…」
それでもダメなのか!何だよこいつ…。
「俺と宙の仲なのに酷くね?」
「……どういうことだよ」
「昨日だって一緒に風呂入ったろ?俺も湯船入りたかったのにお前に止められたけど」
確かに……そんな事が…。
「宙スペシャル美味かったわー。でも俺マグロよりカツオ派」
怖い怖い怖い。何故そこまで知ってる。
ホントにこいつリクなの?でも確かに言ってる事は昨日リクにした事だ…。
「え、もうどうしたらいいんだ……あ、美丘さん」
美丘さん動物俺より詳しいし…って動物詳しくてどうこうなる問題でもないけどな。一応聞いてみよう。
「あ、もしもし!!美丘さん!!!」
《ん?どうしたの~?》
「美丘さん助けてリクが人間になった」
《え、すごーい!!》
え…
「いやいやいや、ね。リクがね人間になったんですよ」
《うん、すごいね!リクちゃんもなったんだね!》
……も?リクちゃんも??
「どういうことですか…美丘さん」
《ん~?この間ねうちのルキもね~人間になったの!》
「…は?」
ルキとは美丘さんが飼っている猫。
《お家帰ったらね、知らない人がいて~誰ですか?ってきいたらルキって答えたからー、すごい!ルキ人間になれるの?って》
順応性高ぇ……!!!
「それ、まじすか?え、人間なるんすか猫って…」
《分からないけど、なっちゃったね!》
「えぇえ…」
《あ!宙君ごめんそろそろ家出なきゃ!》
「朝早くからすみせんでした…」
《大丈夫だよ~!じゃあね~!》
まじか。まじか、これ。
リクを名乗る男の方を見る。
「お前…ホントにリク?」
「さっきから言ってるだろー?」
信じ難い。でも美丘さんが言ってるし…
「あ、てかまだ朝のチューしてもらってないんだけど?」
「は、はぁ?」
「朝起きたらいつもしてくれてるじゃん」
その習慣もいつもリクにしてる事だ。
「ちょっと、待てって、おい…んんん!」
リク?に思いっきり口にキスされている。
「ん…っふぁ…んん」
頭がぼーっとしてくる。
「ん……ごちでした」
「…な、にすんだよ!!!」
「おはようのチュー」
「ばっ…チューはいつも鼻だろ?!」
「あれ?そーだっけ?」
ニヤニヤしながら俺を見てくる。
「つーか、待て、今何時?!やっば、遅れる!!」
もう家を出る時間になっていた。
「と、とりあえず俺は会社行く!」
「おー、いってらっしゃい」
そう言い玄関まで見送りにきてくれる。
本当にリクなのか…半信半疑のまま家を急いで出た。
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