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仲直…り?
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「リクー、ご飯ー」
呼んでも返事はない。
晩ご飯を用意している間もリクは寝室から出てくる様子はなかった。俺はどうしていいか分からずに暫く放っておいた。
それでも、さっきリクに言われた「嫌い」の一言が胸につかえてボーッとしていたら砂糖と塩を間違えるとか皿を割るとかもうてんやわんやしてた。
仕方なしに1人で夕飯を食べる事にした。リクを呼びに行こうとも気まずくてそんな事できなかったから。でもよくよく考えたら何で俺は嫌いって言われたわけ?ルキとした事がバレた?バレたにしてもなんで怒るの?
俺の頭の中はハテナだらけだった。
自分の分だけ夕飯を食べ終え片付ける。いい加減リクの分の食器も片付けたかった。仕方なしに寝室まで呼びにいく事にした。
「おい、リク……夕飯片付けた…」
寝室の扉を開けると足元を何かがすり抜けた。振り返れば猫のリクだった。
「お前…猫に戻ってんじゃん…」
俺の言葉も無視してそのままテレビのついたリビングまで向かって行った。
リビングに行けばソファにちょこんと座りながら尻尾をゆらゆら揺らしながらテレビを見ている。
「おーい、リクー…」
片耳だけはピクリと反応したもののこちらを全く見向きもせずテレビを見つめたまま。猫のリクにシカトされる。これこそ初めての経験だった。
それが割とショック、否、大分ショックだった。
俺がリクの名前を呼びリクがそれをシカトするという攻防がしばらく続いた。
先に折れたのは俺だった。
「リクー……ごめんね…」
いちどリクが反応してくれた気はしたが相変わらずテレビの方を向いたままだった。
「リク…俺が悪かったからさ…許してよ…」
リクに相手にしてもらえない事がここまでツライとは思っていなかった。寂しさに耐えきれなかった。
ちょっと、泣きそうになる。
俺がぐすっと鼻をすすると、
「にゃー…」
「リク……」
リクが俺の足元までやってきて。その顔はなんとなくしょうがねえな、という表情をしていた。
リクを抱え上げる。もふもふしていて気持ちい。頬ずりをすりすり…やっぱり猫のリクは可愛い。人間のリクは……………可愛くはない、かな?
「リク、久しぶりに一緒にお風呂入る?」
俺の提案ににゃー、と鳴いた。
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