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居酒屋で
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「宙、お前なんか顔色悪くね?」
「んー……そうかな?…」
「徹夜でもしたか?」
「まあ、そんなとこ……」
結局昨日はリクとだらだらしてしまって仕事に手を付けたのは夜になってからだった。
何がいけないって、人間のリクを引き剥がしたものの俺が目を離した隙に猫の姿になって俺の周りをチョロチョロし出したからだ。猫のリクにあんな可愛く構ってオーラを出されたらたまったもんじゃない……。
なんだかんだで親バカだな俺…と実感したのであった。
「宙ー!今日飲みに行かねー?」
「んー?今日?」
「あ、そっか。お前疲れてんだよな。今日は辞めとくか」
「……行く!」
「大丈夫か?」
「うん!」
朝は少し体がだるかったけど今はもうだいぶ落ち着いたし、なんか仕事終わりに飲みたい気分だった。
「じゃあ、18時に予約しとくから!」
「ありがとー!」
「よし、行こうぜー!」
「おうー、俺らもいい?樋渡」
「勿論!行こう行こう!」
小野瀬が同じ部署の2人も誘っていた。久しぶりにパーっと同期で飲もうじゃないか!
「それでさー、課長ブチ切れてさー」
「ははは!やっば!」
「まじでねぇよな~」
小野瀬が予約してくれた居酒屋で4人で飲んでいるけど、専ら酒の肴は課長についてだ。みんな同じ部署で同じ課配属だから課長の文句ばかりだ。部長は凄くいい人なんだけどなぁ…。
「樋渡もこないだなんか言われてたっしょ?」
「もうねー、本当あり得ないんだよあのおっさんー、やだやだー」
「宙酔ってる?」
「はー?酔ってないよー」
「顔赤ー、ふにゃふにゃしてんぞー」
酔ってない、とは口では言ってるものの課長への不満が募ってイライラを吐き出していたら思いの外酔いが回るのが早かった。お酒弱くないのになぁ。やっぱり寝不足だからかな?
「もー、樋渡大丈夫かー?飲み過ぎんなよー!」
ははは、と笑う同僚だがグラスにビールをつがれる。どっちだよ……と思いつつも特に断る理由もないし気持ちよく飲めていたのでそのままビールをあおった。
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