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可愛い主人
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「………」
あっぶねぇ…。
鍵を開ける音とドアが開く音がしたから宙が帰ってきたんだと思った。そしたら見知らぬ男が宙を抱えていた。
そいつは宙の会社の奴らしくて酔っ払ってる宙を送り届けてくれたらしい。しかし……どう答えていいものか迷ったが。まあいいか。従兄弟ならバレないだろ。
人間の姿になってから何日か経つけどこういう事は想定外だったな。気をつけないと…。
ところで………
「おい、宙ー」
「んー、なーにー?」
べろべろじゃん…
同僚さんに連れてこられた宙をとりあえずリビングのソファまで連れて来たけど、すんごい酔ってるのが分かる。顔赤くて目がとろんとろんしてるし喋りも呂律が回ってない。
「大丈夫かよ」
「ん、らいじょーぶ!」
「うん、大丈夫じゃないな」
たまに飲んでくる事はあったけどここまで酔ってるのは見た事ないかも。何時もよりもアルコールの匂いがする。
「水持ってくるわ」
宙の横を通り過ぎようとした時だった。
「…?」
ギュッと手を掴まれた。
「ん、リクぅー…」
「……」
え、なにこれ。
そのままグイッと手を引かれ俺はソファに座らされる。
「リクぅー、かわいー」
俺の背中に顔を埋めてはぎゅーっと抱きしめてくる。それは猫の時の俺にするのと一緒だった。
可愛いって、今の宙のが何倍も可愛いんだけど………。
酔っているからか人間の時と猫の俺と区別がついてないんだろうか……。ぎゅーぎゅー抱きしめてくる宙が可愛過ぎて、くるっと体制を変えて宙に向き直る。
「宙」
「んー?えへへ…」
にへら~とゆるゆるの笑顔を向けられる。
「かわい…」
「ん…」
おでこにそっとキスを落とす。
我ながら自分の主人にベタ惚れだと思う。宙は猫の俺に可愛いだのなんだの言ってくるけど俺もずっと宙の事可愛いと思ってた。ていうか猫の姿の時はまあ置いといても実際俺より宙の方が可愛い。
「リク…好きぃー」
「………」
抱きついてくる宙。今人間の俺って分かってる?いつもなら人間の俺には物凄い扱い雑なんだけどな~…。
まあそうだったとしてもどっちにしても宙は俺の事好きでいてくれてるのは分かる。まあ主人と飼い猫っていう関係としてなんだろうけど。それでも俺は嬉しい。
宙の背中をさすりながらそっと頭に顔を埋めた。
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