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無自覚で心配だから…
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「宙さん…ごめんね…僕行くの遅くって…」
「いや、大丈夫…ありがとな…」
部屋の外に出てもまだルキにギュッと抱きしめられる。
「光がさ、オーナーさんとすごい盛り上がってて。そしたらなんかやな予感したんだよね。第六感てやつ?」
猫にもあるのか…。
「ほんと行ってよかった。あいつらここに来た時から宙さんに色目使ってて僕警戒してたんだよ?」
「ええ?!」
「なのに宙さんてばニコニコしながら、いやむしろデレデレしながらあいつらに絡むからさー…」
「あ、はい…」
デレデレしてたか俺……
ここに来た時の自分の姿を少し想像してみたが…
うん、してるな。
「部屋に入ったらあいつら宙さんにめっちゃキスするし」
「あれは猫だからいいだろ、別に…」
「宙さんも普通のキスし返してるし」
「それは不可抗力だ……」
ぎゅーっとルキの腕に力が入る。
「だからあんな事になるんだよ?」
「まさか…人間になるとは思わねぇもん!!」
「………はぁ」
パッと俺を離し、両肩に手を置かれる。すごい不安げな目で見つめられて俺が何故か申し訳なくなってしまう。
「宙さん…すごい可愛いんだよ?魅力的だし優しいし……エロいし」
「可愛くない……つか、エロいって意味わか……んっ?!」
エロいって意味わかんねぇし!と答えようとしたら不意にルキに口を塞がれた。
勿論、ルキの口で。
「ふっ…んぅ、ル、っキ…ん!」
ルキの舌が俺の舌を絡めとる。
ちゅっと音を立てて口が離れて行く。
「……あの生意気なアメショーにキスされたでしょ?…消毒」
「んっ」
チュッともう一度軽く触れるだけのキスをされる。
顔がカアッと熱くなる。
「そろそろ光達戻って来そうだから…僕は行くけど…あいつらも猫に戻ってる筈。すぐ光と部屋に戻るけど気をつけてね」
がちゃりとドアを開けると、
「うん、戻ってるな」
ルキが確認すると、猫の姿に戻ってる三匹が。
心なしか凄い不機嫌そうなんだけど。
一応ドアちょっとだけ開けといてね、とルキに言われた為僅かに開けておく。
「にゃー!!」
「っわあ!」
突然アルが飛びついてきた。
「び、びっくりするじゃんか…」
猫に戻っても少し警戒してしまったが…
やはり、
「か、可愛いいいいい!!!」
可愛いもんは可愛い。仕方ない。
もふもふとアルの肉球を触りつつの頬ずりをする。
横からピョンっと膝の上に乗ってきたのはカイルくんで俺の方をじーっと見つめている。眞介君は遠くで俺たちを見ている。
「ごめんねー!宙君!」
「フシーーっ!!」
すると美丘さんがルキを連れて戻ってきた。
ルキは俺たちを見ると真っ先に威嚇しながら飛びついてきた。
ピョンピョンと軽快に逃げるアルとカイルくん。
「どうしたんだよ〜、ルキー?仲良くしなきゃダメだよ〜」
事の真相を知らない美丘さんはルキを宥める。
「る、ルキも初めて来た所だから緊張してるんですよ!」
必死のフォローをしつつ、ルキを抱き上げる。
その後ましばらくは猫達と遊んでいたが3匹が俺の元に来るときにはルキも俺の所に一緒に寄ってきた。
美丘さんが「宙くんモテモテだね〜」と笑顔で話してくれるが、事の真相はそんな穏やかではない…。
「そろそろ時間だね〜、楽しかった!」
「もう、ほんっっっとに来てよかったです!」
「喜んでもらえてなによりだよ」
時間が来たのでそろそろ帰ることにした。部屋を出る際店員さんが3匹をまた預かりに来る前に、アルは俺の元に飛び乗るとふにゅっと、また口にキスをした。
眞介くんは欠伸をしてその様子を見ていたがカイルくんがバシッとアルを尻尾で叩くと今度はカイルくんに頬にキスをされた。
「……君ら…」
俺が驚きつつ呆れているとルキがすかさず2匹を威嚇した。
「今度来る時はルキも楽しく遊べるといーね!」
美丘さんはルキを撫でる。
猫カフェ初めて来たけど……色んな意味で想像を絶する体験ばかりだった……。
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