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熱い心臓
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シャワーから出るとソファーでリクがテレビを見ていた。
なんとなく俺もその様子をボーッと見ていたらリクが俺に気付いて手招きをしてきた。
飼い猫に手招きされる飼い主って……。
「髪の毛拭いてあげる」
「えー、いいって…」
「いーからいーから」
リクの足の間に座らされタオルで頭を拭かれる。
ドキドキしてテレビの音なんて耳に入ってこなかった。
お腹も空いてきたので2人で昼食を取るためテーブルに座るが……
正直向かいに座られると意識が飛んでしまう。リクに。
目を合わせないように視線を逸らしながら黙々と食べていく。
「そーらっ」
「?!…え、何??」
「さっきから何で俺のこと見ないの?」
「いや、そ、それは…」
恥ずかしいからだよ!!
とも言えず、
「え、そうかな?気のせいじゃないか?」
今も視線を合わせられず目を泳がせていると、
「宙」
「…え?」
リクが立ち上がり、スッと俺の頬に手を添えてきた。
親指で優しく撫でるように頬を触られる。
「宙……好きだよ」
「……」
微笑んだリクの目は大切な物を、愛しい人を見る、そんな目だった。
ギュッと心臓が締め付けられるようで、そしてまた顔が次第に熱を持ち始めた。
「宙は?宙は俺の事、好き?」
リクが触れている肌から熱がじわじわと広がってゆくと同時に俺の口も勝手に開いて行く。
「す、……き…」
「そっか……」
にこっとリクは笑ってそのまま俺の額にキスをしてくる。
じわっと視界が滲みそうで、慌てて顔を背けて食事を続けた。
リクはくすくす笑いながら俺の顔から手を離して、自分の食器を片付け始めた。
体が熱くて、心まで熱くなっていた。
俺、リクのこと……好きなんだ…。
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