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波乱の幕開け
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何が起きるかわからない
それが人生である
ちょっと前に飼い猫が人間になった。
まあこれもとてつもなくあり得ない話だと思うんだけど、本当の話。
それだけならまだしもその飼い猫が俺の事をかなり好きみたいで……まあ、その……抱かれてしまった。
俺自身もなんていうか合意の上だったし……嫌じゃなかったし…かっこよかったし……と、つくづく親バカというか飼い主バカというか…。
そしてまあ、つい最近元の猫の姿に戻ってしまったのだ。
人間になってからは殆ど人間の姿でいたものだから急に猫に戻って寂しくなってしまったのだった。それでも俺もこいつもお互いが好きな事には変わりないだろうから……。
「りーくー……乗っちゃ駄目って言っただろー?」
「にゃー」
仕事机の上に置いてあった書類に欠伸をしながら乗っているリク。
「仕事しないで構えってかー?……せめて明後日までに出す資料だけでも作らせてくれ」
そういうとピョンっと机から飛び降りソファに移動したリク。
なんて言うか最近はリクが人間になる前より意思の疎通が出来ている気がする。勿論リクが人間の言葉を喋れる訳はないから鳴き声しかわかんないけど、なんとなーくね。
そこに突然スマホに着信が入る。
「もしもしー」
《おー!あのさー聞いて欲しい事、つーか聞きたい事あんだけどさー》
「何、どーした」
電話の相手は俺の勤めている会社の同僚、小野瀬だった。
《あのさぁ、俺猫飼う事にしたんだよ》
「…はぁ?!」
《やー、いっつもいっつも宙がさー、飼ってる猫のー、なんだっけ、リクちゃん?の事めっちゃ話してるじゃん?それ聞いてたらさぁ、俺も飼いたくなっちゃってさ》
なんと…
小野瀬も猫を飼い始めたとの事。
「お前んち実家だったな」
《そーそー、お袋にも相談してさ。んで、俺動物なんて金魚しか飼ったことねぇから勝手がわかんないんだよ〜…。宙猫飼ってるしペットショップで働いてた事あるんだろ?色々教えて欲しくてさぁ》
「なるほどね…」
《今日ってさ、今から時間ある?》
「あの企画書終わってねぇ…」
《俺手伝うからさ〜》
「んー……じゃあ今から家来る?」
《おー!猫も連れてくわ〜》
というわけで……
今から小野瀬が猫を連れて家に来るようだ。
「リクー、知らない猫ちゃん来るけど仲良くしてやってな?」
首を傾げたような動作をするリクに笑みが零れる。可愛い…。
しかしこの後俺はこんなにのほほんと笑ってもいられなくなる事を知らなかった………。
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