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猫の噂
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時はあっという間に過ぎ、今日やっとプロジェクトが終了した。
と言うことはだ。
「宙〜、本当悪いな…明日の朝お前んち行くから…よろしくな」
「うん!了解!」
眞介君が家に来るのだ。
家に帰るとリクが出迎えてくれる。
スーツから部屋着に着替えて夕飯を作ろうとするとスマホに着信があった。
「おー?あれ、美丘さん?どうしたんだろ」
美丘さんからの着信ですかさず出ると、
「もしもーし」
《宙さん??》
「え……ルキ?ど、どうしたんだよ…」
なんと電話の向こうの声は美丘さんではなくルキだった。
《宙さん最近なんかあった?》
「え?!」
急にとんでもない質問をしてくるルキ。まるで眞介君の事を見透かしたように……。
「どうしたんだよいきなり…ていうかなんでルキが電話…」
《それはいいから!で、なんかあったの?》
「え……えっと…」
俺の質問は軽く流されてしまい、何故か俺が質問をされる立場にまた戻ってしまった。
《……猫同士の噂話みたいなものってあるんだよね》
「へ?」
《僕は近所の猫の友達から聞いたんだけどさ》
「うん…」
《前に行った猫カフェのアメショー……宙さんの知り合いが飼ってるって本当?》
「えっ……」
な、何で?!
てか猫同士の噂話って何?!猫の寄り合いって夜に本当にやってたりするわけ?!
《ねぇ、本当?宙さん》
「あ…うん…そうなんだ」
《もー…あいつは2度と宙さんに近づけたくなかったのにー…》
「あはは…大丈夫だよ……!」
《……宙さん…なんか隠してる?》
ギクッと電話越しでも聞こえてしまいそうなくらい俺の顔が引きつる…。本当ルキって変な感が鋭いんだよなぁ…。なんかもう逆に隠し通す方が難しいと思い渋々眞介君を家で預かる話をした。
《はぁ……あり得ない…》
「大丈夫だって!…」
《もー!宙さんは危機感ないんだから困るよー…あいつまた人化したらどーするの?リクは猫に戻っちゃってるんだよ?》
「そ、そうだけど…心配しすぎ…」
《用心はし過ぎる事なんてないんだよ……もしその1週間で何かあったら僕に連絡してきてね?》
「分かった…」
親か、この子は……
《あいつが宙さんに何かし…あ!ちょ!光!》
「?」
電話の向こうのでガタガタと音がしたと思えば、
《あ〜!宙くん〜?久しぶり!元気ぃ?》
「あ!美丘さん!お久しぶりです!」
《最近全然会ってないから寂しいなぁ、また買い物でも一緒に行こうね!》
「はい!」
《ルキが勝手にごめんね〜?》
「あはは、全然構いませんよ!」
《そういえばね、明日から沖縄行ってくるんだ〜》
「え!そうなんですか?」
今俺のえ!と電話の向こうのルキのえ!が重なったように聞こえた…。
《宙くんにもお土産買ってくるね〜》
「あ、ありがとうございます!どのくらい行くんですか?」
《そだね〜、1週間くらいかなぁ》
1週間……。
するとまたバタバタと音がして、きっとルキが美丘さんの横で喋っているんだろう。さっきよりも声が聞こえる。
《光!僕、そんな事聞いてないんだけど!…ごめんごめん〜サプライズだよ!…サプライズって…ちょ、!…あ、じゃあね宙くん!お土産待ってて〜!……宙さん!あいつがなんかしたら言ってね、僕が帰ってきたらぶん殴るから!……ブチッ》
ルキの物騒な発言を最後に通話は切れた。
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